ワンちゃんを飼っていて”無駄吠え”に悩まされている方もいるのではないでしょうか?ここでいう”無駄吠え”とは、実は人間(社会)からの観点でその行為をとらえたもので、犬にとっては”吠える”と言う行為は、ごく自然な行動、正常な行動なのです。しかし、人間社会(飼い主の生活)と協調しない場合(あまりに吠えるため近所迷惑となる等)、それは、”無駄吠え”と言われます。これこそが、いわゆる問題行動と認識されているのです。そして、近所迷惑になる等の理由で飼い続けることができなくなり、飼育放棄などの不幸な結果を招くことも・・・
では、何故そうなるのでしょう。遺伝的な要因による生まれつきのもの(生得的因子)と生まれてからの経験(習得的因子)によるものにその原因はわけられるのですが、ほとんどは後者(生まれてからの経験)が原因と言われています。つまり、①その動物がきちんと発育・成長していない(できていない)こと、②きちんと飼うことができていないこと、これらが原因となっているのです。
①は主に生まれてからブリーダー、ペットショップなど飼い主の手に渡るまでの飼育状況(環境)、②は飼い主の手に渡って以降の飼育状況(環境)に起因していると言えます。それぞれ、代表的なものをあげると、
①発育に十分な栄養の不足(食事・水を十分与えない)、狭いゲージでの飼育・展示などのストレス環境、飼育環境の不衛生などに起因するウイルス感染などの病気、飼育者からの虐待・ネグレクトなど。
②飼い主とのミスマッチング(ペット不可の居住環境での飼育を含む)、社会化不足など飼い主の知識経験不足、体を叩くなど躾の際に身体的苦痛を与える(嫌悪刺激)、健康管理ができていないなど。
があげられます。
楽しいペットとの生活を送るために、飼育・販売を行う業者側も飼う(買う)側も双方が、問題行動を起こす原因を取り除く努力を怠らならないことが重要です。そして、ペット産業に係る業者は、飼い主(販売先)への適切な飼育方法のアドバイスなどで協力していけば、問題行動は減らすことができるのです。
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