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2016年09月号

「におい」の基礎とその対策

2016年09月23日 14:40 by K-Tamaki
2016年09月23日 14:40 by K-Tamaki

「におい」と一口に言っても、いいにおい(香り、匂いなどの表現)から悪臭(臭い、臭気)まで色々な表現方法がありますね。ペットを飼ってる人は平気でも、飼っていない、かつ犬が嫌いな人には、「この部屋、犬の臭いがする・・犬くさい・・」と感じる人もいます。要は、においの感じ方は、十人十色、人ぞれぞれに違うということです。ただし、ほとんどの人が嫌な臭いと感じるのは、尿、糞便の臭いではないでしょうか。これらは、動物から発生する臭いの代表格。それらを臭気物質と発生原因ごとにまとめると、

1.アンモニア:尿、2.硫化水素:口臭、体臭、糞便、3.ノルマル硫酸:口臭、体臭、糞便、となります。

これらの臭いを規制する法律は、「悪臭防止法」です。近隣住民等から悪臭の苦情報告があれば、この法律に従って判定、必要に応じて指導・規制がなされます。食品・薬品などを扱う工場・事業所はもちろん、ペットショップ・ブリーダー、ペットサロン等のペット関連事業もこの法律の規制対象となっています。

実例として、平成25年度の全国の悪臭苦情のデータが紹介されました。同年度で悪臭苦情は、13,792件あり、そのうち愛玩動物(ペット)関連は11件東京都に限れば、悪臭苦情、1,453件中1件がペット関連とのことでした。以外に少ない!?、しかし、我々日本人は、サイレントマジョリティという言葉に代表されるように、苦情はよほど我慢が出来なくなるまで言わない、言葉にしなくとも内心ではかなり不快に思っている・・・・、等表に現れてこない苦情があることを認識しておかなければなりません。

では、次に苦情を言われないための「におい対策」です。工場生産設備では、排出口の位置を高くする、壁を作る、またペット関連事業では、清掃の徹底、強力な消臭剤を使うなど色々な方法がありますが、もっとも有効な対策は何でしょうか?

ここで、まず動物取扱責任者への「におい」に係るアンケート調査が紹介されました。平成22年6月~平成23年2月にかけて実施され532件の回答数、回答者の内訳はトリミングサロン、ペットショップ、ブリーダーなどです。質問と回答結果は、次の通りです。

1.もっとも気になる臭いは?→1位:糞尿 2位:体臭 3位:口臭。

2.におい対策として最も効果を感いたのは?→1位:掃除の徹底(52%) 2位:消・脱臭剤(24%) 3位:空気清浄機(18%) 4位:オゾン噴霧(6%)

3.もっとも効果がなかったのは?→1位:空気清浄機(63%) 2位:消・脱臭剤(17%) 3位:オゾン噴霧(11%) 4位:掃除の徹底(9%)

やはり清掃の徹底が一番で、空気清浄機・・・意外と効果がないのですね。

そして、これらのデータを踏まえて解決策としてアドバイスがありました。

実は「臭いは、拡散して薄くなる前に発生源の濃いにおいに対処すべき」、とのことです。つまり、空気清浄機を有効に使うには、臭いの発生源にできるだけ近づけることがポイントなのです。

また、最も気になる糞尿の臭いの清掃のポイントは、1尿の賛成の臭い→クエン酸、2.糞便などからの酸性の臭い→重曹を使って清掃する、とのことでした。

いずれにしても、清掃の徹底、苦情を言われる前に自ら「におい」の状況(どの程度の悪臭レベルか!?)を確認して対策を打つ、これが一番のようです。読者の方の中には、いないとは思いますが・・・ペット不可の住宅で隠れてペットを飼われている方、糞尿の臭いの処理に気を付けましょう!

 

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