キーワードは、「疾病の予防」。そして、グループ傘下の子会社を通じてペットの生涯すべてに係るサービスを提供することを目標をしています。
「川上~川中~川下」と区分けされているこのチャート、ゆりかごから墓場までという言葉がありますが、アニコムのそれは、ゆりかご以前、つまり生まれる前の遺伝子解析から遺伝病フリーに向けたブリーディング支援、親犬・猫の遺伝子を分析して病気にならないような交配を行うアドバイスを行うということです。
そして、飼い主と暮らし始めてからは、健診の推奨と予防フードの開発・提供。さらには、犬・猫に適切な生活環境を整えることをアドバイスすることで疾病の予防につなげます。例えば、飼い主が極度に暑がりの場合、ペットは必然的に強めの冷房の部屋で暮らすことになりますね。このような生活環境の片寄が、疾病の原因につながることが分かってきたとのことです(社長談)。少しだけ生活環境を変えることで疾病予防になるなら、工夫してみる価値はありますね。
ビックデータ、AI、昨今流行の言葉ですが、ここでも疾病予防のデータ解析に活用されているようです。
そして、予防に徹したにもかかわらず病気になってしまった時は、一次診療から必要に応じて再生医療を含む高度医療が受けられるように手配します。さらには、不幸にして亡くなってしまった場合や天寿を全うしてのお別れの場合の葬儀手配まで視野に入れています。そのサービス対象範囲は、まさに、生まれる前から墓場まで、といえるでしょう。
傘下の子会社全体像はこのチャートの通りです。これに昨年度に富士フィルムとの合弁で設立した再生・細胞医療を中心とした先端医療に携わる「セントラスト・アニマル・セラピューティクス株式会社」が加わります。
では、これらのうち私達と直接かかわる部分についてみていきましょう。ペット保険とその販売を担うアニコム損害保険株式会社とアニコムフロンティア株式会社はもちろんですが、ここではアニコムパフェ株式会社に注目します。この会社のフォーカスするところは、動物病院支援事業と飼い主サポート。
1.動物病院支援事業:看護師向け研修サービス、顧客満足度調査サービスなどの経営支援サービスも提供していますが、動物病院向けにクラウド型カルテ管理システム「アニコムレセプト」の開発・販売が一番の特徴です。具体的には、医師が作成するカルテを電子化、クラウド化して「マイカルテ」として保存、他の病院でのセカンドオピニオンを得る際や高度医療を含む二次診療の際に余分な(重複する)検査を行わなくて済むようにするためのものです。将来的には、必要ならだれでも見られるようにすることで、治療にあたる獣医師の間で(いい意味で)緊張が生まれるようにしたい、すなわち、適切な医療を行うように獣医師それぞれが緊張感を持って治療にあたる環境を整えたいとのことでした(社長談)。現在、導入している病院数は80とそれほど多くありませんが、期待したいシステムですね。
2.飼い主サポート:オンラインショップ、子犬・仔猫の検索サイト「ハローべいびぃ」の運営のほかに迷子検索等を提供するサイト運営しています。
URLはこちら→アニコムパフェ
一度覗いてみてください。さて、次は、おまちかね(?)質疑応答のコーナーです。記者が総会で直接経営陣から得た情報をお伝えします。
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