EduPet

2018年11月号

動物福祉に配慮した飼養管理について

2018年11月22日 18:57 by K-Tamaki

 2年前の研修で、動物福祉のための5つの自由ということを学びました。海外では動物愛護よりも動物福祉という考え方が一般的です。これは、倫理学、法制度、科学の3分野を基本として総合判断し、(飼育環境等、何が動物たちにとって最もよいかを総合的に判断し)、現状を把握して動物の取扱い方を決めるべきというものです。そのための指針として、動物福祉のための5つの自由があります。すなわち、①飢えと渇きからの解放、②不快からの解放、③痛みと怪我、病気からの解放、④恐怖と絶望からの解放、⑤正常な行動を示す自由、となります。(2016年9月号参照)

今年度は、この中で動物たちが快適にすごせる環境について(主として不快からの解放)フォーカスしています。環境管理の目標として、①温度、②湿度、③照明、④騒音、⑤換気、⑥臭気、に関して講義がありました。以下、簡単にテキストの内容をまとめてみます。

①温度

犬:健康な犬が運動するスペースの温度(散歩も含め)は、7~20℃、寝床の温度は10℃以上がベスト。但し、子犬は生後1週目まで、26~29℃、2週目まで、21~26℃、3週目までは20℃を温度管理の基本とする。

猫:健康な猫が運動するスペースの温度(家庭での室温)は18~21度が基本。寝床は犬と同じく10℃以上。仔猫については、子犬と同様。

②湿度

適正な湿度は、品種、被毛の程度によって異なるが、目安としては次の通り。犬:40~60%(60%&超では不快)、猫:50%以下、ウサギ:30~60%、ハムスター:40~60%、セキセイインコ:40~60%、文鳥:50~60%。 

③照明

自然光を利用するように心掛ける。明暗比率(日照時間)は、明:暗=12:12、夜行性動物では、10:14。ハリネズミ等はゲージを置く位置で調整調整する。

④騒音

種を問わず、不要な振動は情緒不安や心身の負担となるので注意する。騒音は、昼夜を問わず60dB(静かな乗用車や普通に私達が会話しているレベル)にとどめる。可聴域は、動物によってことなるが、犬・猫は50khz以上の高周波の音にも反応する。

⑤換気

外気を通す自然換気がベストであるが、空気清浄器等をもちいて浮遊(病原)微生物を10μ/㎥以下に抑えるように努めるのがよい。

⑥臭気

問題となるのは、糞由来のアンモニア、硫化水素などであり、アンモニアやアセトアルデヒドは、活性炭などを利用して粘膜に対する刺激作用を20ppm以下に抑える。参考までに、20ppmは、硫化水素(硫黄の臭い)で人により目の粘膜に刺激を覚えることもあるが、耐えられないことはない、という状況を示すようです。これを超えると個人差がありますが、40ppmくらいまでが強烈な臭いを感じるが耐えられるレベルとされています。

一部、ぴんと来ない数値がありますが、エアコンが十分普及している現状、温度と湿度くらいは常にチェックしておきたいところです。これらのほかに、災害対策についても、講義内容ではふれていましたが、その内容は、本誌2017年9月号や先月号の記事で十分カバーできるものなので、割愛させて頂きます。

 

関連記事

動物感染症と動物由来感染症のリスク管理  その1

2018年11月号

動物感染症と動物由来感染症のリスク管理 その2

2018年11月号

恒例~最後の復習問題です!

2018年11月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2018年10月号

大阪北部地震、西日本豪雨、台風被害、そして北海道の地震と今年は本当に災害の...

2018年09月号

西日本豪雨、台風、そして北海道地震と災害が次々と襲いくる日本列島、まずは、...

2018年08月号 vol.56

3月号でも標題の記事をお届けしましたが、その後も日本経済に影響を及ぼす要因...