では、次は中型株に分類されるダイユーリックとエコトレーディングです。チャートの作成基準は前章と同じです。
①エコトレ
本年度(2月決算)の業績見込みは経常300百万円、対前年比+29.8%増益予測ですが、第二四半期が伸びず株価はじり安基調となっておりました。はたして、1/11日付発表の第三四半期では、経常△75百万円との発表でした。これでは、計画の達成はかなり困難で、今期の赤字転落が予想されます。
②ダイユーリック(リック)
本年度(2月決算)の業績見込みは対前年比経常+8.5%の増益予測ですが、市場の期待値にはとどかず、年前半は売られています。直近の決算発表、1/7付での第三四半期の進捗率は対予算比+84.9%と上方修正が期待されましたが、前年同期の進捗率は+96%であったことから、やはり業績鈍化が懸念されているようです。しかし、これだけでは、チャートの推移はとても説明できません。ダイユーリックのような地方の小売店を主とする業態は、今後の成長期待もあって株式投信の投資先へ組み入れられていたと推察されます。2018年は、中小型株投信を含めた株式投信の解約が多く発生したとの情報があり、特に年末にかけての下落はその影響と考えられます。もちろん、小売業として、消費増税の影響も加味しなければなりませんが。
そして、最後に小型株であるアニコム、アイペット、日本動物高度医療センターについてです。このうち、アイペットは昨年4月に上場のため、4月末を100としています。
①アニコム
本年度決算見込み(3月)は、対前年経常+36.5%の増益予測。11/8付発表の中間決算では進捗率+53%(前年は40.5%の進捗率)であり、業績は申し分ありません。しかも、これも本誌で何度か取り上げましたが、富士フィルムと合弁で立ち上げた子会社が再生医療を行っています。これは、先の大日本住友製薬と同列で日経記事に取り上げられており、好材料となるはずですが、それにもかかわらずこの株価の推移(急落と伸び悩み)は、中小型株成長投信に組み入れられていたことが推察されます。3-4月、8-10月にかけて前述のリック同様に下げています。特にこの時期は投信の解約が多く出たとの情報を得ています。
②アイペット
10/20 付発表の経常は、200百万円(前年実績 56百万円)ですが、同日付では、今3月期の業績予想を正式に開示していません。12/20付では、保険契約件数が40万件を突破(ちなみにアニコムは74万件)したこと、宇都宮・鹿児島・高松に支店を開設すること、株主優待の発表を行いました。株主優待では、1年以上100株保有すれば、5千円相当の品物がもらえるようです(抹茶セットなどの食品)。株価推移は、日経平均を若干上回る成績です。
③日本動物高度医療センター
本年度決算見込み(3月)は、経常+13.3%増益予想、11/8付発表の中間決算は、進捗率51.7%(前年は40.5%)であり業績面ではまったく問題ありません。しかも、貿易戦争や欧州の混乱など世界情勢の影響を直接受ける業態ではないはずですが、8月以降は売られました。それも、これでもか!というほど酷い売られ方をしています。まさに、小型成長株受難の年であった昨年を象徴するかのような推移となってます。2月上旬には、第三四半期決算の発表のようですが、その内容が問題なく増益基調であるなら、他の銘柄よりも現状の株価は、中長期投資のチャンスかもしれません。
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