では、まず恒例となりました株価の推移表(大型株分類)からお届けします。チャートは、2018年の終値を100として毎週金曜日の終値の推移を日経平均と比較しています。
1月号で記者は、今年の日経の高値は2月頃で、その後は厳しい展開が続くと予想していましたが、良い方に外れています。その分析等はまとめの記事で触れようと思いますが、まずは各社の情報とコメントからいきましょう。
①イオン
4/5日に2019年2月期の連結最終利益を従来予想の350億円→256億円に下方修正しました。同利益は、2018年2月期は245億円であり、前期と比較すれば微増益となります。10日には2020年2月期も経常ベースでは増益、さらには19年2月から2円増配する、との好材料を発表しましたが、5日からの株価下落に歯止めがかかったにすぎず、それまで日経と連動するかのように上げてきた株価はさえません。
イオンは、株主優遇として傘下の企業(イオンペット等)での買い物等で5%割引となるカードを発行しています。2月末までの株価堅調はこの権利取りのための個人株主の買によるところが大きいでしょう。業績面もさることながら、頂けないのは消費者庁から景表法違反に対する再発防止命令を受けたことです。これはイオンペットで数年間にわたって「ホテル預かり中は、一日お散歩2回といいながら実際はお散歩なし」、「トリミングで炭酸泉を使用とうたいながら、実際は使用せず」という料金表で表示されているサービスを行っていなかったことに対するものです。こんなことをやっていては、株価は多少の好材料では上がりまぜんね。
②ユニ・チャーム
2/14日に19年12月期が二期ぶりに最高益、4円増配となる予測を発表しました。日経との比較では割負けですが、堅調に推移しています。ユニ・チャームは中国依存度の高い会社です。中国の景気減速が語られた18年10-12月期は対前年比で純利益が32%もの落ち込みとなったとのことでしたが、ここ最近は中国景気も持ち直しに伴って堅調といえるでしょう。また、今後はインドへの比重を高めていくようですし、今後の伸び代もあると感じます。
③大日本住友製薬
「注射のみで犬のヘルニアを治療できる」、ペットの再生医療から始まり人の再生医療の代表格として取り上げられて来た同社。犬のヘルニア治療薬は、今年3月に最終臨床試験に入っているはずで順調に開発が進んでいるのですが、問題は人の再生治療薬の方でした。サンバイオという創薬ベンチャー企業(マザーズ上場)と共同で進めていた脳梗塞への再生治療薬、SB623が米国のフェーズ2の試験結果が思わしくなかったというニュースが流れた1月下旬に株価は暴落、その後も回復ぜずという状況です。1月号で記者の独断と偏見で大日本住友製薬がよさそうと言いましたが、このニュースはまさに青天の霹靂、途中経過を報告するまでもなく、お約束通りに投資していた記者は大損状態です。とはいえ、この脳梗塞の再生医療薬も開発を断念はしておらず、今後の進展を待ちたいと考えています。
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