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2019年09月号

まずは、概略から、

2019年09月27日 11:18 by K-Tamaki

 法律の専門家ではないものにとって用語は小難しく、普段私達は耳慣れないものが多いのですが、トリミングを依頼するなど身近な行為には、いろいろな法律が関わってきます。まずは、「最低限押さえておきたい法律知識」の概略を覗いてみましょう。

まず、知っておきたいのは「消費者契約法」、これは物を買う側、サービスを受ける側の消費者とそれを提供する事業者との取引のみに適用される法律です。

ポイントは、①契約条項に消費者にとって不利な条項が書かれているか否か→書かれていたらその契約は無効、②不実告知の有無(事実と異なること、うそを言って契約していないか)→これも、もちろん無効です。例えば、何があっても代金は返済しないなど損害賠償の全部を免除するような条項がある場合、両親に遺伝病の病歴はないとしてペットを販売したが、事実は異なった場合等です。

この法律、「消費者契約法」は、一般的な契約・取引ルールを定めた「民法」の「特別法」という位置づけになっています。では、次に大元となっている民法をみていきます。

 皆さんご承知の通り、民法ではペットは「物」です。(命あるものなのに残念ながらいまだに物扱いです) 物の売買でポイントは、

瑕疵(かし)担保責任(民法570条):売主には、売買の時に見えなかった・気が付かなかった先天性障害・病気などが後日、発覚した場合は(売主に落ち度がなくとも)無条件で(信頼利益の範囲内で)損害賠償の責任を負うということです。

その賠償範囲ですが、例えば欠陥がない同種の子犬が10万円で販売されており、咬み合わせの悪い子の場合、7万円で販売されていたなら、その差額3万円が損害賠償の金額となります。これが、「信頼利益の範囲」での賠償と定義されているものです。その賠償の期日は、傷等の欠陥を認識してから1年以内(民法568条3項)とされています。もっとも、取り返しのつかないほどの落ち度があった場合には、当然契約の解除が可能です。

但し、瑕疵担保責任については、2020年4月1日より効力が無くなるようです。

債務不履行責任(民法第415条):売主は、自らに落ち度がなかったことを証明しない限り、債務不履行の責任を負う。ペットを売る側には「健康で先天的な傷のないペットを買い主に渡す」という義務があるということです。

さらに、対象となる契約の種類について簡単にふれておきます。

「請負契約」:当事者の一方がある仕事を完成することを約束し、相手方はその成果に対して報酬を払う契約。成果に対しての報酬なので、当然、瑕疵担保責任、債務不履行責任による損害賠償の責任を負う場合があります。トリミングがこれに該当します。

「委任契約」:当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを受託することによって効力を発揮する契約。

「準委任契約」法律行為でない事務の委託等の契約。請負契約と違って成果に対して、報酬を得るものではないため、(成果に対する)損害賠償責任等は負いません躾教室、訓練教室などがこれに当たります。「躾教室に通ったのに、いまだに・・・」などで責任とれ!、弁償しろ!、とは言えないのです。但し、監督責任を怠り怪我をさせた場合は責任を負うことは、当然です。

④寄託契約:物を預かり、それを依頼者へ責任を持って返却することで報酬を得る契約。倉庫業などがこれですが、ペットホテルに預けることもこれにあたります。同時にペットホテルとの契約は準委託契約の側面も持ち合わせています。

そして、最後にすべての契約において重要なのが、善管注意(ぜんかんちゅうい)義務です。これは、その行為に対して報酬を得る者が、プロとして最善の注意をつくして当然に果たすべき義務ということです。

例えば、旅行に行くので、①ペットをペットホテルに預ける、ペットシッターに依頼する場合と②友人宅に預ける場合で、帰ってきたら、ペットが足に怪我をしていたら・・・

②友人に預けたら、基本的に示談(謝罪と医療費の負担をしてもらうなど)ですみますが、①ホテルなりシッターなり、ペット関係のプロの場合には、医療費の負担はもちろんのこと、彼らが善管注意義務を怠ったことになり(彼らが自らに落ち度がないことを証明しない限り)、損害賠償等の責を負うことになります。

では、これらを頭に入れて次章では具体的な事例をみていきましょう。

 

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