では、まずは2019年の概況から振り返っていきましょう。
今回は、NYダウ、日経平均とTOPIX(東証1部全銘柄の加重平均)で昨年1年間の推移を示してみました。(チャートは、2018年末の終値を100)
ご覧の通り、多少のブレはありますが、NYダウの後追いをするかのような動きです。4月末までは好調を維持できていましたが、連休中にトランプ大統領の爆弾発言があり米中貿易戦争激化の懸念が再燃、5月末にかけてNYが下げ、それを追随するかのように日経、TOPIXともに下げています。その後、8月~9月にかけても一悶着ありましたが、米中休戦が見込まれることとなり(暫定合意に20年1月署名)、見事にNYダウは持ち直し、史上最高値まで駆け上がっています。日経もこれに追随するも、なおTOPIXは(日本全体の相場をみれば)割負け状態が継続しています。とにもかくにも米国次第!、米国以外の債券はマイナス金利に沈み、雇用・景気とも米国の独り勝ち状態は暫く継続しそうです。日本は、消費税増税の影響はやはり重く、東京オリンピックへ向けての盛り上がりはあるものの、決して手放しで明るい展望を抱くことはできないと思います。あくまで、米国の景気好調が頼みの綱でしょう。
では、その米国をみると今年を占う上でのターニングポイントは、3月、8月、そして11月と予想しています。11月は、言わずとしれた米国大統領選挙。ここまでは、米中貿易戦争も休戦のまま、世界経済もなんとか現状維持でNYダウも上げ、日本の景気も良好、日本株も上昇する。これがベストシナリオです。もっとも、それまでにトランプ大統領が罷免され・・などのケースがあれば別ですが、それは確率が低いと予想します。
次のポイントは、8月。日本では東京オリンピックですが、そのオリンピックの閉会と合わせるように米国の一つの重要な法案が効力を持つ日が来ます。これは、米国が国防上問題となる製品を販売している企業、さらにはその企業の製品を使っている企業とも取引を停止するというものです。言うまでもなく、中国企業がターゲットですが、そのひとつにハイクビジョンをいう会社があります。これ、監視カメラの会社です。この製品は高性能で安く、日本でもかなり使われているはすです。8月13日、この日から法案は有効化されます。大統領選で勝利の目処が立っていれば、この時点から米中貿易戦争再び!、なんてことになれば、世界景気後退で、まして日本はオリンピックも終わり不況へと一直線になりかねません。8月を無事通過してくれることを祈るばかりです。
そして直近では、3月。米大統領選におけるスーパーチューズディ。トランプ大統領に対峙する民主党の候補者が決まります。ここでもトランプ再選確実となれば、過激な政策に方針転換するかもしれませんが、可能性は低いでしょう。それよりも、民主党候補が優位、しかもその候補が、GAFA解体、法人税増税など米国の景気に水を差す政策を掲げる候補であれば、NYダウは失速、景気後退へと向かいます。その余波は、間違いなく日本経済直撃となることでしょう。
ともかく今年は、ベストシナリオで大統領選までは、日本経済も(日本株も)大丈夫!しかし、その先は・・・、これが米国市場の展望からみた記者の勝手な予想です。現在、利下げ停止した米国(FRB)、日銀を除けば、世界中の中央銀行は利下げの嵐、紙幣をすりまくって市場に供給しているようなものです。記者は、少し、株式市場にバブルの兆候が見えると感じています。大なり小なりバブルは発生しては、必ずはじけるもの、大統領選のその先に、リーマンショックのような金融危機が来ないことを祈ります。
と、この記事を書いている今、新型コロナバイルス肺炎の感染が拡大しています。この影響に関しては、いつ収束の目処が立つかにもよりますが、一時的に世界経済をかなり下押す要因となりそうです。引き続き注視していく必要があります。
以上、ペット関連誌にしては少し羽目を外しすぎ(?)でしょうが、あくまで皆様のご参考に!
もう一つ、”株探”(株式投資サイト)でペット関連がテーマとなる会社(銘柄)一覧を見つけましたのでご紹介しておきます。→ペット関連テーマ株
本誌で取り上げている会社も含め、より多くのペットビジネスに関連する会社も取り上げられていますので、参考にしてみてください。(例:SBIもペット保険参入でリストされています)
では、次章は、本誌で今まで取り上げた銘柄群(会社)についてお届けします。
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