時折、TVで有名企業の株主総会の様子が報じられていますが、日本動物高度医療センターも入口には、消毒液、そして検温を行っておりました。大きなモニターの前に立つと、画面の自分の顔の所に体温が表示されます。記者は、35度9分・・・少し低め(?)ですかね。
さて、会場は毎年恒例の「かながわサイエンスパーク KSPホール」でしたが、例年40~50名参加の株主が今年は12名。会場内に用意された椅子の数も20前後と少なく、あらかじめ「議決権行使書」を郵送して済ませた株主が多かったようですね。そして会場内は、壇上の経営陣、株主、全員マスク着用でした。
まずは、業績と議案(取締役と監査役の選任)の説明がありました。以前にコロナの影響と取組を記事にしましたが、20年3月期の業績への影響はまさに軽微だったようです。初診者数6,464件(前期比+7.4%)、総診療数25,307件(同+6.2%)、そして手術数2,977件(同+9.7%)とのことです。
東京病院のリーフレット(会場受付に置いてありました)。記者が入手したアナリストリポートによれば、当初ピークアウトが予想された東京病院の初診件数が前年比30%以上ものびており、これが業績にかなり貢献したようです。
こちらは同リーフレットの裏面、腫瘍科、脳神経科・整形科、消化器科、泌尿器科、循環器科、呼吸器科と人間並みに診療科は充実しています。
さて、21年3月期ですが、会社は来院数が今後の外出自粛等の影響が見通せないこともあり、2%増収、1%増益とほぼ横ばいを予想しているようですが(コロナ禍で予想開示ができない会社が多い中、これだけでも立派なものです)、アナリストリポートでは、同2%増収、4%増益(経常ベース)とより強気の予想です。
総会での会社説明は、わずか10分で簡潔なもので今後の展開に関しては説明なしでしたので、ここからはアナリストリポートで補足します。
アナリストによれば、21年秋に開業を予定している大阪病院ですが、現在稼働している3病院の設備が充実しているため立ち上げの費用負担は少なく、21年度内のコロナ収束を前提にすれば、22年、23年3月期ともに2ケタの増益が予想できるとされています。さらに、「会社のコアともいえる連携動物病院制度の充実とともに動物用携帯活動計(プラスサイクルのことです)、ペットフードなどの新規取り組みが業績に寄与することが期待される」として、指標(一般的には東証株価指数TOPIX)を上回る投資成果があがると予想する、「アウトパフォーム」の評価です。
しかし、この中でプラスサイクルですが(次章の質疑応答でふれますが)、実はこれ苦戦しているようで・・・記者自身は、アナリスト評価は少し高すぎるのでは!?、と感じられるのです。ただ同社は、上場する唯一の動物病院、業績以上に(株価の値上がり以上に)社会貢献の面で期待したいものです。
最後に、名古屋病院のりーフレットも掲載しておきます。
こちらが、診療内容等です。
では、次章は質疑応答についてです。
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