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2020年06月号 vol.1

質疑応答

2020年06月25日 12:07 by K-Tamaki

 株主が直接経営陣の話を聞ける、総会での質疑応答、記者は毎年これを楽しみにしているのです。同社も昨年は10名以上が質疑を行ったのですが、今年は記者を含めてわずか3名でした。質問は、コロナ対策でスタンドマイク使用で話した後、すぐに係の者による消毒が行われます。マスクをしてマイクで話すのは、どうも声が通りにくくていけませんね。

 では、質疑の内容をお届けします。今回の質疑、回答はすべて議長である社長からでした。

株主A(毎年出席されている女性です):大阪病院の開業はいつですか?

回答:21年秋の予定で準備しています。

A:人材の確保についてお尋ねします。平均勤続年数が4年7ヵ月とのことですが、これは短いのではありませんか?またその原因についてどうお考えですか?

回答:人材の確保は、人手不足で苦労しておりますが、獣医師、看護師の平均勤続年数は短いとはいえません。その数字は事務職を含めた平均勤続年数です。一般に受付等の事務所は、看護師が兼務しているのが多いのですが、当社は完全分業です。ゆえに、患者(飼い主)との接点で色々と苦労が多いのです(看護師なら事務的にならずに飼い主に寄り添える応答ができるが、受付専業なので苦情をぶつけられストレスになることも)。事務職の定着率がよくないのです。

次は株主B(この方も毎年出席されている獣医師の方で、動物病院を経営されているいわば同僚)

B:(同業としてみて)当社のいい点は、①迅速な対応、②高度な技術、③設備が素晴らしいことです。反対に、欠点と言えるのは、①医療費が高い、②場所が遠い(不便)、③給与が(他の同業比較で)安い、ということです。私は、同じ獣医師として(就職先として)推薦しづらい、2~3年働いていたいと思える会社であってほしいのですが・・

回答:人材を育てる環境作りを心掛けています。2017年には退職金制度を、2019年には住宅手当の制度を導入しました。今年6月で開業14年目となりますが、引き続きこの点については努力していくつもりです。

この女性は、同業者として応援(し)隊のようですね。質疑というより要望を伝えているようでした。さて、次はいよいよ記者の出番です。

 記者:対処すべき課題に、M&Aを活用した業務拡大とありますが、具体的には?言える範囲で結構ですからどのような展開をお考えですか?

回答:この場で言えることは少ないのですが、同業。他業種から声がかかっています。同業を選んで進めています。当社の第一の目標は全国展開です。

(心の声:2,3年前から同じことを言っているではないか・・・・全く進んでいないようだ)

記者:コロナ禍でオンライン診療が脚光を浴びていますが、当社は画像診断の子会社キャミックもあることですし、オンラインでの遠隔診療等についてはどうお考えですか?また、他社の例を出して恐縮ですが、アニコムはコロナ感染者のペットを預かるプロジェクトを開始しました。当社は、これに類する社会貢献を考えていますか?

回答:オンライン診療についてはシステム構築を進めていますが、あくまで対面での診療がよいと考えています。それは、信頼関係が築かれていなければ、オンラインでのやり取りは難しいと考えているからです。アニコムさんのような形での貢献は考えていませんが、参考にさせて頂きます。

ほとんどの大学病院が「コロナ対策で患者(飼い主)を病院に入れるな。」との獣医師会の方針の下、その機能を停止した中で当社が診療を継続できたことは貢献といえると思います。

(人間でも救急車でたらい回し、受け入れ拒否などの事例がある中でこれは、褒めてあげたい!)

記者:今年はコロナ、そして南海トラフ、首都直下地震なども言われる中で、当社のBCP(緊急時事業継続計画)はどうなっていますか?

回答:昨年、多摩川の氾濫で影響を受けました。氾濫当日は停電もあり、翌日は回復しましたが当日は、一部診療ができなくなるなど影響を受けました。そのこともあり、災害対策委員会を設置し、安否確認システムを導入致しました。現在は、コロナ第二波等に備えて備蓄の充実も計画しています。

(やっと動き出しましたか・・一昨年たしか記者が指摘したはずですが・・・ちょっと遅いかな?)

質疑応答を聞く限りでは・・どうも・・・前章でのアナリスト評価は高すぎかもしれませんね。

そして、先ほどの女性2名は再度質疑に立ち、その中でプラスサイクルの現状について質問がありましたので、社長の会社の今後に対する考え方とともに紹介します。

プラスサイクル、これは明確に苦戦していると社長自らが回答していました。

さらに、「今回のコロナ後を考えると、(人の価値観は変わり)遠くて高い診療を受けるより、近くて安くてもいいから・・・という考え方をするケースが出てくる可能性も考えられますが、社員一人一人の教育を充実させ、最高のサービス(医療)を提供することで当社を選んで頂くことを心掛けます。総合的に病院としての評価で地位を確立していきたいと考えています・」、とのことでした。

会場には、2,3名スーツ姿の人物も居ましたが質疑は行いませんでした。彼らは、投資ファンドのアナリストかもしれませんね。

全般の印象としては、質疑には40分以上の時間を割き、丁寧に答えてくれた感があります。記者を含め、質疑に立った2名もそれなりに満足したことでしょう。アナリストの評価は少し低くなるかもしれませんが、この質疑の姿勢は評価できると感じました。

 

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