株投資で注意することは、まずその国の政情が安定しており、経済が今後も成長していくことが大前提です。記者は、米大統領選にその観点から注視していたのです。バイデン氏の政策、法人課税強化と有価証券譲渡益税強化(株式売却にかかる利益への課税を4割まで高める)、これは完全に経済成長にブレーキをかけます。長い目でみればトランプ氏の政策が経済成長を後押しするはずで、今回のバイデン大統領誕生は警戒しておりました。が、今のところは、”いいとこ取り”で課税強化よりも目先のコロナ対策による世界的な金融緩和とワクチンによる経済再生を評価しているようです。米10年国債の金利急上昇で2月末にかけて株価は急落しましたが、これかや徐々に市場も落ち着きを取り戻すでしょう。
そして、肝心なのは成長企業の発掘です。但し、売上は急拡大しているものの赤字経営を続けている会社は金利上昇局面ではかなり弱含むことを覚悟すべきです。以下のチューイのチャートは、まさにそれを物語っています。
では、成長企業発掘にはどうすれば? ましてや海外企業の詳細情報は日本ではなかなか手に入りません。そこで大きなヒントとなるのは、前章でご紹介したプロが運用するファンドの組み入れ銘柄情報です。
1月26日付けペット関連ファンド組み入れベスト10:①ゾエティス(米)、②アイデックス(米)、③チューイ(米)、④アニコム(日)、⑤トラクターサプライ(米)⑥ネスレ(スイス)、⑦デグラファーマ(英)、⑧ムスティ(フィンランド)、⑨コヴェトラス、⑩ネオゲン(米)(国別 米国58.7%、英国 10/4%、日本 7.8%)(1月26日現在、前述の小林氏による)
2月26日付けベスト10:①ゾエティス、②トラクターサプライ、③アイデックス、④チューイ、⑤ムスティ、⑥デグラファーマ、⑦ネスレ、⑧アニコム、⑨コヴェトラス、⑩ネオゲン (前章の同ファンドのHP月報(2021年3月更新)に記載。)
月次で見直してますね。アニコム、2月上旬には1,200円前後で推移していた株価は現在1,027円。明らかに同ファンドの組み入れ比率減額が響いています。しかし、アニコムは業績が好調なら再度組み入れ比率増額の可能性もあるので、反対にここは買いかもしれません。さらにアニコムは3月決算、配当権利取りに買いをいれて来るかもしれません。同様に、相変わらず1位のゾエティス、株価はボックス圏ですが、引き続き投資妙味ありとみているようです。もちろん、単月での組み入れ比率の上下のみに注目していては後追いになりかねませんので、数ヶ月継続してみていく必要はあると思いますが、海外株投資の情報が少ない中、同ファンドの開示情報は貴重な資料となるでしょう。
さらに一歩先を行く意味では、今後組み入れ上位になる候補銘柄を探すことです。ファンドの組み入れ率上昇ともなれば、比較的まとまった資金で買い付けを行うはずなので株価上昇が期待できます。そこで、対象として一つご紹介します。ペットフードの会社、フレッシュペット(シンボル:FRPT):犬猫のために自然で新鮮な素材を生かしたフード、おやつの製造販売を行っています。チャートは、次の通り綺麗な右肩上がりを描いています。2月末にかけ金利上昇で一時的なショック安となっていますが、すぐに戻しています。
しかも、同社の業績は、2020年12月期で売上対前期29.7%増、経常は赤字大幅縮小(△252,922千ドル->△1,998千ドル)。2021年12月期黒字化達成、その後も継続的な成長が期待できます。同ファンドの組み入れベスト10入りもありそうで、今後1年間で高パフォーマンスが期待できそうです。ご興味のある方は調べて投資してみてください。
では、次回は日本のペット関連企業について取り上げます。
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