過去半年間の株価チャートで見てみましょう。このチャートは昨年12月23日の終値を100として(同日のアニコム株価は1,047円)その後の推移を示したものです。赤と青のローソク足がアニコム、青の線が日経平均、緑がマザーズ指数です。このチャートでは、2月上旬まではほぼ日経平均と同様の推移をたどっていますが、ここから成長株指数と言われるマザーズ指数と歩調を合わせて下落、その後はマザーズにも割り負け、GW前に追いつくも連休明けにまた暴落、最終的にここ1ヶ月の動きはじり安で日経、マザースの戻り歩調に連動できずです。
では、総会での回答にあった市場の影響についてはどうか?
2月上旬、米国の10年物国債の金利急上昇を受け米国市場でハイテク株指数と言われるナスダックがガツンと下げました(ナスダックは3月上旬まで下げ続けた)。日本株、中でも成長株として認識されている銘柄(会社)はナスダックに連動すると言われています。今年のNY市場は、景気の回復による企業業績のさらなる回復期待で上げ、金利急上昇あるいは中央銀行(FRB)が市場への資金供給量を圧縮するのを警戒して下げ、この繰り返しです。2月上旬、GW開けなどの大きく下げた時期は金利上昇や早期利上げ(あるいは資金供給量圧縮)の思惑で動いていました。確かにアニコムもこの市場の影響は受けています。そういう意味では、総会での回答は間違ってはいません。
しかし、問題はその後の回復力です。市場の影響のみなら、少なくともマザーズ指数に連動してもおかしくはありません。特に6月に入ってからはだだ下がり、しかも6月18日には5月の保険料収支が前年同月で1割増という好材料を発表しているにもかかわらずその後にドスンと下げています。株は中長期では実績(業績)、短期は需給要因が大きいと前章で書きましたが、このだだ下がりの要因はファンドか機関投資家などの大口の株主の売りと推測しています。
以前にご紹介したグローバルペット関連ファンド(ぽちタマ)、アニコムはこのファンドの構成銘柄で日本の会社で唯一ベスト10に入っている会社です。この組み入れ比率(順位)の推移を見てみると、4位(1/26)->8位(2/25)->3位(5/21)となっていました。5/21付けでは5%の組み入れ比率となっており、5/31には5.1%に増加していました。2月からはファンド(ぽちタマ)の売りで下げ、そしてここは底値と思った買い増しの影響で5月後半にかけて(指数以上に)戻った、5月まではこれが大きな株価変動の要因だと推測できます。
では、6月入っての再びの下げは?これもファンドか大株主の売りかもしれませんが、まだ開示資料が確認できていませんので推測の域を出ません。ぽちタマ以外にもある程度保有しているファンド、大株主は存在するでしょうから前年比1割の増額では満足できない大口資金の失望売りかもしれません(あるいは、ぽちタマが一転売りに?)。
総会で株価の質問が出たとき思わず追加で上記を引き合いにだして、これからはファンド、機関投資家に買ってもらえるようなIRをもっと心がけては?と指摘してやりたくなりましたが、計画を具体的に説明していくとの話があったため思いとどまった記者でした。
5/13に864円、6/21に再び866円、これらの値段でダブルボトムを形成して株価はここから緩やかに回復基調に戻ると予想しています。成長株としての認識では、現状は明らかに評価不足と思います。
よほどのことが無い限り総会での弱小株主の提案など聞く耳持たない大企業、それに比べてアニコムの総会は参加して意見をいえるところが、真面目に聞いてくれるところがいいですね。
「お~い、XX(社員の名前?)、聞いてるかぁ~??」株主からの質問のたびに社長さんそう叫んでました。質問や提案が会社のためになることなら(それすなわちペットのため)聞く耳をもって実行してくれそうな会社、アニコム。記者はこれからも株主を続けていくつもりです。弱小株主ではありますが。
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