まずは、全国的にはまだ馴染みのない同社。その内容から紹介していきます。
創業は1982年6月となっていますが、会社の沿革を見てみるとこれは現在の企業形態になった年で、本来の創業は1921年11月というから大正時代です。かなり歴史のある会社で2019年12月に東証2部へ上場しました。
カクヤス・・・その社名から”お酒を格安で提供する”かと記者も思っていたのですが、その由来はお酒を飲む角枡(カクマス)と創業者の佐藤安蔵(さとうやすぞう)氏とのことです。その強みは、(まだ首都圏限定ですが)ビール1本からでも無料で即日配達する物流網にあると言えます。会社HPによればその売上構成は、居酒屋チェーンなどへの販売(53.1%)、宅配(24.4%)、POS(各店舗来店社へのPOSレジ、22.2%)、卸等(0.3%)となっています。
都内では、カバー写真のような「カクヤス」のロゴペイントの車はよく見かけますが、この写真のように自転車での配送も行っています。
8/12付け発表の第一四半期業績は、売上18,598百万円(前年同期16,783百万円+10.8%)、経常△1,126百万円(同 △755百万円)、赤字拡大です。宅配の増加で売上げは増えるも大口の事業用販売が大幅減少しており、文字通りコロナ禍での酒類販売禁止が暗く陰を落としています。また、9/7付けで業務用と家庭用の区分での対前年比較の売上が発表されていました。
その推移は、業務用:4月315.3%、5月108.6%、6月69.4%、7月71.2%、8月48% 通期85.5%、家庭用:4月88.3%、5月89.8%、6月100.4%、7月106.5%、8月102.7%、通期97.1%となっています。東京都は今年は”まん防”も合わせれば、ほとんどが緊急事態宣言下、酒類販売禁止も手伝っての業務用販売の落ち込みは酷いものです。そこで、同社が試験的にペット用品の宅配を始めたのが6月から。7月、8月はオリンピックの宅飲み観戦(?)も手伝ってか前年より増加傾向となっています。
これを受けて、9/8リリースでペット用品の首都圏全店舗への販売拡大に踏み切ったようです。リリースはこちら->カクヤスNewsリリース
即日配送の対象となっているペット用品、フードなどの一覧はここから確認できます。この発表を評価してか(?)、株価は9/9より上昇基調に転じ17日の終値で1,985円、一時2,000円を付けました。上場来の高値が2019年12月の2,078円ですからまもなく上場来高値を突破です。首都圏店舗への展開だけでこの反応、全国展開はあるのか?、今後のペット用品販売の見通しは?など同社の広報へ問い合わせをしてみましたので次章はその内容をお届けします。
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