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2022年01月号

ペット関連株個別コメント~イオン、ユニチャーム、そして大日本住友製薬

2022年01月23日 15:23 by K-Tamaki
2022年01月23日 15:23 by K-Tamaki

ここからは以下の自前チャートを使います。7月末の終値を100として約半年間の推移を日経平均と比較しています。

3社とも市場再編では、プライム市場を選択しましたが、1/14/22東証発表では、当確企業欄にも落選企業欄にも名を連ねておりませんでした。つまり、申請はしたが今は猶予期間ということですね。今回の市場再編は、2200社を超える1部上場企業の中から世界的にも魅力ある企業300-500社に絞って投資価値を高めるはずだったのですが、日本特有(?)の猶予期間という配慮で1800社以上が申請・いまだ途上という始末です。米国のように決めても実行力が伴わない・・・さて、4月から海外投資家はいかに評価するでしょうか??

 では、ここから個別にコメントしていきますが、この3社は大型株分類でもあり今回の金利上昇騒動による資金流出の対象とはなっておりません。株価推移はあくまで個別の業績の結果です。

①イオン:1/12/22発表の第3四半期決算では、営業収支対前年+0.9%、経常+42.3%、純損失は前年の△627億から△90億へ改善とのことですが、それほど評価されておりません。経常の推移を見てみると、第2四半期で779億(年間計画の進捗率41%)でしたが、第3四半期では839億(同進捗率42.3%)と伸びが止まっています。今、オミクロン株による感染増大で客足、個人消費の減少が予想され決算期の2月までの駆け込み需要は期待出来そうにありません。通期での計画達成は疑問符がつく状況になってしまったと考えられます。もう一つ、昨年、公開買い付けで100円ショップにキャンドウを子会社化しました。(議決権保有割合51.16%になったようです)小売り再編戦略の一環でしょう。今後、100円ショップで子会社の扱うペット用品が販売されている、なんてことになるかもしれません。

②ユニチャーム:11/5/21発表の第3四半期決算では、売上対前年比+7%、営業利益+9.3%でした。通期予想は売上+5.8%、営業利益+3.7%の増収増益予想で進捗率は86.9%ですから十分に上方修正が期待出来ます。同社資料によれば、国内は1.4%増収、3.2%増益、海外は10.6%増収、15.2%増益ですからほとんど海外で稼いでいます。国内はコロナ禍での財政出動もせず、けちけち政策で国民の自助にたよった結果、個人消費の伸びが止まっていることがうかがえます。増収の内訳ですが、ペットケアが+8.5%とセグメント別ではNO1の増収率となっていました。ペット関連の今後の施策としては、ペットケアのプレミアム化、北米市場強化、中国市場へ集中投資とのことです。国内では、ペット用排泄物処理用材製造販売を行うペパーレット(株)の増資を引き受けて子会社化したとのリリースもありました。投資資金は新工場の設立に充てるようです。同社は225採用ではありませんが、以前の記事でもっと評価されて然るべきと書きましたが、ここ半年ではそれが実現したようです。日経を上回るパフォーマンスです。

③大日本住友製薬:10/27/21発表の第2四半期決算では、売上対前年比+12.3%、営業利益+0.1%でしたが、12/5/21発表のガンワクチンPSP-9888のフェーズ3治験中止と言う事実もあり期待が剥落しています。元来、今期通期(22年3月期)は営業赤字予想ですし、評価は来る1/31発表予定の第3四半期決算を待ちたいと思います。これまで犬のヘルニアを治す「ステムキュア」を子会社で取り扱っているためペット関連として取り上げてきましたが、当該子会社DSファーマアニマルヘルスはそれほど連結での存在感もなさそうですし今後はペットの医療関連で特筆すべき進展等があった場合のみ取り上げる事にします。

 

 

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