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2022年04月号

アニマルジャスティス党とコロナ禍での対応

2022年04月04日 10:50 by K-Tamaki
2022年04月04日 10:50 by K-Tamaki

まずは、日本ではあまり知られていないこの政党についてです。

本部はシドニー、NSW(ニューサウスウェールズ)州にあります。現在、国会議員は3名選出されており単なる政治団体止まりではなさそうです。

 

NSW州(地図の赤色の地区)

今年3月、この政党により提出された保護動物の殺処分禁止の法案が議会で可決されました。概要は、①保護動物を収容する施設は、少なくとも2箇所以上のレスキュー団体に保護の依頼を行うこと、②深刻な怪我や病気などで生存させる事が困難だと獣医師が判断した場合を除き殺処分を禁止する、というものです。

昨年8月のことです。オーストラリアで子犬10頭を含む15頭の犬が殺処分(銃殺だそうです)されてしまいました。しかも、その原因がボランティアスタッフが犬を引き取りに来る際にコロナウィルスに感染することを恐れたためとのことでした。ちょっと動物愛護の先進国としては信じられないことですが、それほどコロナパンデミックは影響を与えたようです。

さらに、オーストラリアでもコロナ禍でペットブームは起こっており、悪徳ペットファームによる被害も増えているとのことです。そこで、この政党、最近また厳しい動物愛護法の修正案を議会に提出しました。

①ペットショップでの生体販売の禁止

②繁殖犬(雌)の頭数は10匹で一匹が埋める回数は2回、その後は避妊手術を行う

③繁殖犬の雄は6歳で去勢

④違反者には罰金(日本円換算で約900万円)と2年の懲役

⑤繁殖犬5匹に飼育飼スタッフ一人を割り当てる

以上が今回の修正ポイントです。日本でも①を除き今年から施行される動愛法の改正項目に上げられていますが、比較するとかなり厳しいですね。例えば、日本は雌犬の出産は満7歳6回まで(雄の去勢は記述されていない)、一人あたりが取り扱える頭数は犬20頭(内繁殖犬15頭)、猫30頭(同25頭)となっています。(犬は30(令和4年)->25(令和5年)->20頭(令和6年)と段階的に減らす。猫も同様)さらに罰金の金額も多額で(日本は100万円くらいが上限)、日本ではとても可決されないでしょうが、はたしてオーストラリアではどうなることでしょう。

 

 

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