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2022年11月号 vol.2

アイペットとアニコム

2022年11月21日 10:07 by K-Tamaki
2022年11月21日 10:07 by K-Tamaki

まずはなんと言ってもアイペットです。お聞き及びかもしれませんが、業績云々よりも一番のニュースは、TOB(市場公開買付)により第一生命保険の完全子会社となるということです。

TOBには買収目的の敵対的TOB、この場合プロキシーファイトと呼ばれる議決権争奪戦が行われ提示価格(買い取り価格)のつり上げ合戦になったりもし、場合によっては買収不成立のケースもあります。しかしアイッペットの場合は、大株主も同意しており問題なく成立でしょう。TOB価格は市場で取引されている価格に3割から7,8割くらいの値幅でプレミアムを乗せて提示されます。同社の場合は、直前は2,390円でしたので約5割乗せで3,550円上場来の高値が2,669円(20年上場直後)でしたので、いままで買った投資家は誰も損をしないことになります。直近6ヶ月のチャートがこちらです。

小さくて分かりにくいかもしれませんが、8月末あたりから上昇基調に転じています。このあたりから今回の買収劇がまとまって、早耳筋が噂を聞きつけて買っていたのかもしれません。

同社はTOB成立後、上場廃止となるので、今後はTOBに応じるか市場で売却かの選択となります。中には親会社の株式を保有株に応じて割り当てるケースもあるのですが、今回はそれはありません。ただ、TOBに応じるには幹事証券であるみずほ証券のみでの応募となり、他の証券会社で保有していればみずほ証券への株式の移管手続き(書類の取り寄せから完了まで7日~10日)が必要となります。みずほ証券に移管後、マイナンバーカードの写しなどの身分証明を添えて応募です。

ちなみに記者はみずほの口座を閉じたばかりで再度開設する気にはなれず、市場で売却します(わずかな保有数ですが、買値の倍になりました)。現在は、同社株価は買い指し値:3,400円、売り指し値:3,450円でその間で推移しています。記者のような市場で売却する投資家の株を3,400円で大量に取得できれば、だまっていても3,550円で売れるのですから、それを狙っている大口投資家はいるはずです。

おっと、肝心の業績ですが、中間期で50百万円->820百万円へと大幅上方修正、経常も対前期比16.8%増と好調です。ペット保険はその市場規模の拡大が見込めるのでこれからも業績は伸びていくことでしょう。

そこで注目すべきは同業他社のアニコムです。事業会社の売り上げにあたる経常収益は対前年比+6.2%、経常は+21.5%、経常対予算比進捗率53.6%です。さらに昨年に続き一株配当を4円に増配(昨年は1.5円から2.5円)する発表がありました。半期の保険料収入も23,295百万円から25,061百万円へと7.6%増加しています。業績はこちらも好調そのものです。

同社株は、ここ半年のチャートでいう一目均衡表の抵抗帯(この図の赤と青の帯で過去の高値安値や終値の平均から算出したものです)を抜け上昇基調に完全に転換しました。アイペットがTOBを発表したタイミングでアニコムも一気に抵抗帯を抜けるほど買われています。これは、同社も他の保険会社によるTOBがあるのでは?との連想買いも影響した結果です。アニコムの常任取締役3名のうち小森氏(社長)と百瀬氏は東京海上火災保険会社出身です。当然、東京海上との強いパイプを持っているはずですから、業界2位のアイペットがTOBとなれば同1位のアニコムも?との連想も働くわけです。

ペット保険は成長市場の一つ、アマゾンの参入も伝えられており今後ますます競争は激化していくことでしょう。生命保険、損害保険会社などによるTOBや他の事業会社との業務提携なども今後増えていくと予想されます。

アニコムですが、アイペットと違い動物医療への分野へも展開しており、また社長さん自身が同分野への展開を第二創生期と位置づけていることを考えれば、他社のTOBに応じる選択肢はないように思いますが、何が起こるかわからないのが現状です。膨大な資金力を誇る外資系企業の動きも気になりますし、どこも生き残りをかけて業務統合や提携を模索して行かなければなりません。ともあれ、記者は今回のアイペットの買収劇でアニコム株へ継続投資すべき理由もひとつ増えた気がします。

 

 

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