動物愛護相談センターは各都道府県に設けられています。先月19日、東京都の動物愛護相談センターを見学してきました。
各県のセンターによって見学の方法、内容等は若干異なるようですが、東京都の場合、事業内容説明で1時間程度、その後犬舎や医務室等の設備を見学、その後質疑応答、合計2時間の見学プログラムでした。事業内容については、同センターのHPに詳しい記載があります。 こちらです。→東京都動物愛護相談センター:業務内容
センターの建物は、一つが昭和49年、もう一棟が昭和54年に建てられた古いビルですが、設備は今でも十分機能しているとのことです。ちなみに、殺処分の設備は、ここ本所にはなく、城南島出張所にあり、稼働は週に1回のペースだそうです(炭酸ガス処分機)。
説明の中で、最新の(平成25年度)データを職員さんが提示してくれました(現在、HPで公開されているのは平成24年度)。詳細は次の通りです。
1.東京都の犬の登録数 51万6,567頭、未登録もかなりあるので実際は65万頭くらい、猫は登録制ではないので推定110万頭、もちろん犬、猫ともに全国最大規模です。
2.同センターに収容された頭数(平成25年度) 犬837頭、子犬9頭、猫553頭、子猫1,223頭、ウサギ2頭、合計2,624頭。
3.上記のうち同年度に殺処分された頭数 犬88頭、猫443頭、子猫909頭、ウサギ1頭、合計1,441頭。
ピークは、昭和58年で実に年間56,427頭が殺処分されていたので、現状はピークの20分の1まで減少しています。職員さんはじめ愛護団体等の皆さんの努力の成果は、東京都では上がっているようです。
それにしても、猫、子猫の数の多さには驚きを隠せません。もちろん、職員さんたちも手をこまねいているわけではなく、次のような対策を講じてはいるようですが。
1)猫の飼養三原則(屋内飼育、不妊去勢、身元表示)の講習会等での普及啓発 2)地域指定の共生支援事業の実施 3)区市町村包括補助事業 4)地域への支援、
特に地域への支援は、ボランティアの方々等による、1時間・場所を決めての猫への餌やり、2トイレの管理 3飼い主への指導をメインとしているとのことです。
これで成果がどの程度上がっているかは、わかりませんが、
こと猫に関しては、センターからの引き取りが犬よりも簡単にできるので、猫を飼いたいと思ったらまずセンターへ電話して問い合わせてほしいものです。(子猫もたくさんいまず)
譲渡の手順についてですが、1)犬 譲渡希望者がセンターへ電話→職員による質問で適正を確認→講習会受講→家族への確認(アレルギー等はないか、家族の総意か等)→再度講習会受講→メデタクお迎え。
2)猫 センターへ電話→質問で譲渡可能と認められれば来場してご対面→気に入った猫がいれば、注意事項伝達の上、即日引き渡し(お迎え)となります。このように猫は犬と比較して簡単にお迎えできるのです。
昨年度の譲渡実績は、猫371頭(個人へ57頭、愛護団体等へ314頭)、犬297頭(個人へ11頭、団体へ286頭)とのことでした。まだまだ保護犬・猫が幸せになるには、ハードルが高いようです。ちなみに、収容(保護)数ー殺処分数と譲渡実績の差は、無事飼い主がお迎えに来た、訓練により”ふれあい犬”として動物教室で活躍している、保護されてすぐ死亡したケースなどによるものだそうです。それにしても犬の数字の差は大きいですね。無事、飼い主がお迎えに来たケースが多ければよいのですが・・・・
もう一つの驚きは、年間(平成25年度)の咬傷件数(犬に咬まれた件数)が、330件。都内でほぼ一日に1件は犬に咬まれる事件が発生していることになります。個人的には、近所で犬に咬まれるケースはみたことがないので、これも驚きの数字でした。近年、日本では狂犬病は発生していませんが、世界的にはかなりの発症例が報告されています。咬傷件数が多かったこともあり、狂犬病の説明には職員さんも時間を割いていました。
以上が、説明会の内容でお伝えしたいこととなります。次章は、犬舎等施設見学についてです。
読者コメント