総会開始から約1時間経過。議案の審議の前に(議案説明の後)、いよいよ質疑応答のお時間です。その前に、
こちらが、株主用のお土産です。総会では、お土産を渡す会社はずいぶんあります。お土産、お弁当付の総会もあり、これを楽しみにしている株主も多いようですね。
”親子検便キット、飼い主用と”どうぶつ用”があります。これは、人畜共通感染症(ズーノーシス)専用の検査キットで郵送用の専用封筒も入っていました。
話を戻しましょう。
これが、招集通知と議案です。
質疑応答では、最初に社長さんが概略を答えて、詳細は担当役員(中には獣医も)に振り、最後に再び社長さんがまとめる。株式上場から5年、昨年は東証1部に昇格しただけあって、対応もスムーズで、さすがに手慣れた質疑応答でした。 想定問答集(どこの会社でも総会用に作っている)も相当整理されており、 株価も順調に上がっていることもあり、会側からすれば、楽勝!の質疑応答だったと感じます。
質問者は、記者を含めて6名くらいでした。社長さん、もっと語ってほしい!、と言う方も居れば、もっと簡潔に!、と正反対の要望を述べる方も。いろいろな質問が出ましたが、抜粋してお届けします。
株主A:個人株主数が減少しているのは何故か?
回答:昨年3,000名だったのが3月には2,400名程度。個人は株価が上がれば売る。(実際、昨年末は1,412円、3月末は2,124円でした。)継続して保有して頂くためには、認知度の向上がカギと考えている。
株主A:どうぶつ先進医療の実態と今後の展望は?
回答:(ここでより詳しい僧房弁閉鎖不全症の話が)循環機器の病気を主に取り扱っており、僧房弁閉鎖不全症の手術は9割の確率で成功している。昨年の8月以降、月間10例以上のペースで、おおむね3時間の手術時間で行っている。最近では、医療費130億円のうち、生活習慣病が50億円を占めるようになってきた。この生活習慣病対策とともに、将来的には、脳神経外科や再生医療の領域にもチャレンジしていく予定である。(獣医さんと役員の二人で回答)
株主B:認知度を高める具体的な企画等は?
回答:当社は、社長の個性が強く全面にでている感があるが、今後は、よりインパクトある企画として社員全員が執筆する本の出版を考えている。
社長さんも、こんなこと考えるユニークなベンチャーはないでしょう!?、とまとめておりました。
株主C:動物病院には、保険加入のパンフレット、料金表は置いていないが、どうしてか?販売チャネルは?
回答:当社の販路は、70%がペットショップ、30%がその他の一般(ネットも含め)である。病気の犬猫に保険を進めるのも変な話で・・・病院を対象とする販売はあまり行っていない。
そして、いよいよ記者の出番です。
記者:先ほどの僧房弁閉鎖不全症の手術の話は初耳でした。僧房弁閉鎖不全症で苦しんでいるワンちゃん、飼い主はたくさんいる。治療を受けるのはどうすればいいのか?
回答:二次病院からの紹介状でのみ受け付けている。(三次医療の位置づけのようです。)会社が直接、営業できないこともあり、今後は何らかの方法で認知度を高めることを考えて行かなければならない。
記者:議案をうがった見方で(悪意を持って)読めば、「会社は役員を増やして、役員の給与支給限度枠を拡大して、役員でストックオプションを自由に発行できる様にしてほしい。」と読めるが、株主への配当はどうなっているのか?考えていないのか?
回答:現状は、単独決算ではまだ累損がある状態なので(これは分かっていてあえて質問してみた)、今後は配当も検討していく。株価の上昇と配当実施、両面で株主へ報いたい考えている。
記者:昨年度の保険の改訂を巡って、御社の運営する掲示板が「新保険への強引な切り替えがあった」などの理由で炎上した。この原因の分析と対応、そして今後の予防策についてどう考えているか?
回答:保険の改訂をめぐるトラブルについては、正直、お客様へのご案内が不十分だったことが原因と反省している。一部を新商品へと切り替えた、(これが、勝手に切り替えられたとして炎上した一因)これは社外秘としていた内規に基づいて行ったもので、この基準が、未公開ゆえに誤解を招いたと認識している。今後は、基準を公開していくようにする。今後の対応という点では、掲示板の投稿を公開前に事務局で預かり、内容を確認したのち公開することに昨年12月より切り替えた(いわば、コメントを承認制にした)。
社長さんより、
自分のポリシーとしては、すべてオープンにすることであり、今まではそれでやってきた。この出来事(掲示板炎上)については、現在の倫理観の問題(匿名だとネットで言いたい放題、人格否定もあり・・・というやつですね)もあるが、正直、敗北感を感じている。(アニコムの掲示板は14年間、書き込み自由で運営してきた。そのポリシーを変更せざるをえなくなったことを指しているようです。)でも、また将来、もとに戻すかも知れない。基本的に、すべてオープンを心情としているため。
質疑応答、以上のような感じでした。そして、議案決議を経て総会は無事終了。株主、そしてペットの飼い主視点からみても、さまざまな情報を得られた有意義な総会参加であったと思います。
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