これも動物愛護センターでの研修時に配布された資料です。
代表的な感染症がリストされていますが、この中でも、特に注意すべきは、犬・猫その他の動物が無症状のものといえるでしょう。その数は、このリストの中でも約半数に上ります。世間に認知されていないものも含めれば、世界に200種以上あるというズーノーシス、その中には、これらと同じく動物では無症状のものがたくさんあると言われています。
ここでまた、K先生の登場です。記者は、このリストと日経新聞の記事を見てもらいながら、
記者:これらの病気ですが、罹患した患者を診察されたことはありますか?
K先生:一般クリニックの外来では、ほとんどありませんが、大学病院では診たことがあります。多いのは、リストの上から4つ(オウム病、猫ひっかき病等)、とQ熱ですかね。
記者:新聞記事に治療法が未確立のものも多いとありましたが・・・・
K先生:いずれの病気も健康な方は、適切な抗生物質の投与などで早期に対処すれば、治ります。治療法が未確立、というのは、いずれの病気も対処療法(症状を軽減するための薬を投与して自然治癒力を強化して回復を待つ)でしか対応できないという意味で、でも、これは早期に適切な対応をすればほとんどは大丈夫ですよ。気を付けるのは、子供、高齢者、それに免疫抑制剤を服用しでいる方など免疫力の弱っている方ですね。
記者:そうですか。少し安心しました。ところで、記事にあるカプノサイトファーガ感染症って、このリストにありませんが、どんな病気ですか?
K先生:私も初耳です。。。。
記者:えっ!? ・・・・・・
これには驚きました。医師の間でも、知られていない病気がここにも!、と実感しました。そこで自分なりにいろいろと調べてみました。
カプノサイトファーガ感染症の病原菌は、6~7割の健康な犬・猫の歯茎に寄生していて、犬・猫とも無症状だそうです。その菌が、免疫力の弱った人に感染すると、悪さをはじめ重篤な症状を引き起こすのだそうです。最悪の場合は、腎不全、敗血症、髄膜炎などから多臓器不全へ移行して死亡。そして、発症後の致死率は3割と高く、特に注意すべき感染症の一つだそうですね。
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