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2023年10月号

日経平均急落、その要因とペット関連企業の株価への影響(プライム上場大型株)

2023年10月09日 14:50 by K-Tamaki
2023年10月09日 14:50 by K-Tamaki

まず、証券担当者からのヒアリングでは、外国人投資家が売りに回ったことが大きいと言われています。その要因は、米国の利上げ継続懸念、しかも今回は悪い金利上昇と言われています。

またも蒸し返されていた米国の債務上限問題は審議継続で先延ばし(つなぎ予算成立と報道されていますが、実態は審議継続)で事なきを得たかに見えました。しかしその後、この合意を進めた米下院議長が解任され、新たに選出される議長(トランプ前大統領という噂も)はもはや政府・民主党とは安易に合意しないと目されています。次回、11月中旬の審議では合意は見込めず、それによって起こる米国政府閉鎖、そして米国債の債務不履行の懸念が生じています。それを反映するかのように、直近で米10年物国債の利率は4.88%まで上昇しました。

実際に米国債が債務不履行に陥る確率は低いとは思いますが、最悪のケースを折り込みにかかっているのか、国債価格の下落傾向(金利は上昇)は続いています。この状況下で将来の不透明要因を嫌う外国人投資家は損失の穴埋めや投資資金の配分先の見直しによって、まずは十分に利の乗っている日本株の売りに動きました。事実、9月第3週から海外投資家は売りに回っていました。そして証券関係者の間では、第4週にある海外証券から突然大量の先物売りが数回にわたって出ており、特段の理由無き売り物が不気味だとの指摘がありました。これ、情報通の海外投資家が先んじて利益確定に動いたものであり、結果はご覧の通り9月末からの急落に見舞われました。

株式投資を続けるうえで、急落・暴落は普通に起こる!、世界情勢や災害など不確実性が増加している現状では、そう考えておくべきでしょう。その前提で自分の投資先がその突発的な出来事にどう反応したか、これを検証しておくことは大事です。ペット関連は、今後も市場拡大が見込める成長市場と言われています。そこで今回の日経急落での反応をチャートで追ってみました。

以下、日経が高値にあった9/19日の終値を100として、先週末までの日々の動きをチャートにしたものです。

参考)日経平均9/19終値:33,243円、10/4 30,527円(安値をつけた日の終値)、10/9 30,995円

1 イオン 3,035円(9/19)、 2,934円(10/4)、3,046円(10/6)

225採用にもかかわらず、急落の影響はほとんどありません。同社のニュースとしては、9/11連結各社の売上前年対比が発表されています。ミニストップ、コックスの2社のみ若干前年比でマイナスになっておりますが、全体では+8.8%で好調を維持しています。また、10/6にいなげやを子会社化すべく公開買い付けを開始した旨発表がありました。

2 ユニチャーム 5,505円(9/19)、5,259円(10/4)、5,302円(10/6)

前回の決算発表からは9/5予定していた自社株買いの終了の発表があったのみで、特に材料がありません。同社も全体相場下落の影響を受けてはいますが、軽微にとどまっています。

3 あらた 5,860円(9/19)、 5,180(10/4)、5,390円(10/6)

 日経以上に影響を受けています。同社は、8/29に昨今言われ初めている2024年物流問題への対応策として「物流デジタル化による生産性向上」施策を発表していました。これを好感して、株価は上昇、9/19日は5,880円の年初来高値をつけています。年初来の安値3,905円から既に1.5倍、日経急落による不安心理増長で国内投資家が利益確定を急いだ結果、過剰に反応したのだと考えています。(同社は海外投資家比率は少ない)

以上のように、”あらた”は過剰反応と考えれば、概ねプライム上場のペット関連企業は短期的な暴落の影響は軽微と考えていいと思います。

では、次章は中堅および成長企業群を見ていきます。

 

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