EduPet

2022年10月号

コロナ、犬猫への感染状況は!?

2022年10月29日 14:08 by K-Tamaki
2022年10月29日 14:08 by K-Tamaki

要約すると、

犬:①感染しにくいが感染事例あり②陽性反応が出るのはウィルスの付着(ウィルス暴露のケース)が多い③症状はでにくい④潜伏期間は1週間以内、

猫:①犬より感染しやすい②猫同士でも感染する③症状は軽い咳が多い④潜伏期間は1週間以内とのことです。

注)ウィルス暴露:ウィルスが体に入り込んだ状態であるが、その量は発症するには至らない状態

また犬猫ともに多くの場合無症状でありランダムサンプリングでは感染率は6%以下、コロナ感染者(人間)からの(飼育している犬猫への)感染率は12-44%ということでした。

サンプリングとして紹介されていた例を見てみると、

①米国2020年3月から2021年1月まで3,625頭の犬猫を検査したケースで、94頭が陽性(2.6%)、うち10頭が死亡または安楽死(感染個体の10.4%)となっていましたが、直接の死因がコロナと断定されたのは犬猫それぞれ1頭のようです。

②米国テキサス州、感染者が1人以上いる家庭の76頭の犬猫を検査したところ、17頭/36世帯(25.6%)が抗体、PCR検査で陽性中和抗体は犬11.9%、猫43.8%が保有しており、これら犬猫の82.4%は無症状。

日本の事例では、東大グループが2020年7月から2021年1月に犬494頭を検査したところ陽性率は0.2%とのことでした。

ただし、獣医療には人のように日々継続して統計をとるシステムは確立しておらず対象とした症例数が少ないことは指摘されていました。

以前、アニコムの株主総会出席の際に記者はコロナについて尋ねたことがあります(2021年6月号質疑応答参照)。この時は、コロナが人畜共通感染症となるとペット業界がシュリンクする危険性があるとの説明に対しての質疑でしたが、その可能性は引くとの回答を得た記憶があります。コロナは(オミクロン株以前)ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体にウィルスがとりつくことで感染します。ただACE2受容体の形状は人と動物では異なるため、必ずしも全ての動物に感染するとは言えず、犬がPCR陽性との事実は感染ではなく、ただコロナウィルスに暴露したケースが多いと考えていたのです。

今回、調査リポートを見ると(指摘されているように)症例数が少なく、またほとんどが無症状のため大騒ぎをする必要はないと考えますが、気になるのは①猫で軽い咳の症状が出ること(症状があると言うことは感染・発症)、②猫同士での感染です。

 

犬から猫、またはその逆のケースは報告されていませんが、少し気になります。そこで、獣医師の方々に最新の見解等を問い合わせてみました。次章はその回答を紹介します。

 

関連記事

ペットシッターサービスへ参入したポピンズ

2024年04月号

ペット関連企業情報 個別情報

2024年04月号

ペット関連企業 個別情報 その2

2024年04月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2024年04月号

新年度になりました。4月の声を聞くと同時に堅調そのものだった日本株も少々波乱と…

2024年03月号

昨年末、ペットシッタースクールのセミナー参加の際に犬の食事専門家 「Dog's…

2024年02月号

22日、日経平均株価が最高値を更新しました。世界情勢や国内の政治的混乱もどこ吹…