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2016年04月号

犬にまつわる豆雑学!?

2016年04月20日 19:26 by K-Tamaki
2016年04月20日 19:26 by K-Tamaki

犬の祖先は狼!?、これは、よく言われる話ですね。 DNA分析によれば、1万5千年前の東アジアの狼がすべての犬のルーツとのことです(2002年科学雑誌に発表)。

以前は、「狼が人間と一緒に暮らすようになり、品種改良をした結果、犬の祖先が生まれた。だから、犬は狼の性質を受け継いでいる。」 などと言われていたものですが、現在の犬の種類は、チワワ、Mダックスなど小型犬からグレートデンなどの超大型犬まで多種多様。中には、もはや、狼とは似ても似つかぬ容姿をしている犬もいます。また、犬は肉球に汗をかきますが、狼の肉球には汗腺がありません。もはや、性質を受け継いでいるとは言い難いくらい、その形態も生活様式も異なっています。しかし、確かに犬のルーツは東アジアの狼なのです。

遺伝子レベルでの解析が進む現代、一昔前とは異なり色々なことが解ってきました。例えば、シェパードとチャウチャウ犬、どちらがより狼に近い存在でしょうか?一見、精悍なスタイルのシェパードと思われがちですが、遺伝子レベルでは、とても似ても似つかないチャウチャウ犬の方が狼の血を受け継いでいるのだそうです。さらに、秋田犬、柴犬も(これらはなんとなくわかる気がしますが)、遺伝子的に狼に近い存在なのだそうです。参考までに、遺伝子解析で人間とチンパンジーのDNA遺伝子全体の差は、わずか1.7%だそうです。ペットとしてお宅で寛いでいるワンちゃん、遺伝子的には狼とは、いったいどのくらいの差なのでしょうね!?

学術的に動物の分類は、「」(動物界と植物界)、「(もん、脊椎動物か無脊椎動物か)」、「(こう、魚綱、両性綱、哺乳綱など)」、「(もく、人間は霊長目)」、「(か、イヌ科、ネコ科など)」、「(ぞくイヌ属、ネコ属など)」に分けられています。今、貴方の横にいるワンちゃんは、動物界→脊椎動物門→哺乳綱→食肉目→イヌ科→イヌ属→座敷犬(家イヌ)に分類される生き物となります。(猫も同じ食肉目で以下、ネコ科→ネコ属→座敷猫ですね)

さて、次は、視点を変えて脳科学の観点からです。脊椎動物の脳は、脳幹、小脳、大脳から構成されており、その基本構造は変わりません。しかし、魚類(魚目)、両生類(両生綱)、爬虫類(爬虫綱)では、ほとんどが脳幹部分で、小脳、大脳はごくわずかです。(魚類、両生類では大脳は大脳辺縁系部分のみで大脳皮質はない)

では、人間と犬の違いは・・・簡単に言うと、脳の構造は同じだが、圧倒的な物理的差(大脳皮質量、特に大脳新皮質量)と言っていいでしょう。犬は、人間と比較すると大脳皮質、前頭葉の量が圧倒的に少なく、脳科学では、言葉、時間、数の理解はできないと考えられています。(一般人の私には、言葉は理解できるように思いますが、いやそう信じたいですが・・・)。

  しかし、人間と同じ大脳辺縁系を持つ犬の脳には、情動をつかさどる「扁桃」、記憶をつかさどる「海馬」と言われる部位は存在しています。脳科学的には、抽象的な概念は理解できないが、喜怒哀楽の感情は存在し、行動の学習と記憶はなされるということです。つまり、記憶のメカニズムは人間と同じなので、それを利用して犬といい関係を作る(躾をする)のです。例えば、お手をすれば、おやつがもらえる(いいことが起きる)と学習させるのが基本といえるでしょう。これが、以前にも書いた「オペラント条件付け」と呼ばれているものです。

最後に、「パブロフの犬」と言う言葉をご存じですか?これは、パブロフの実験、(ブザーを鳴らした後に餌を与え続けると、その犬は、ブザーの音を聞いただけで唾液を分泌する量が増える)で有名になったものです。いわゆる条件反射ですね。「オペラント条件付け」に対して「古典的条件付け」の代表的な例と言われています。

 

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