目は口ほどに物を言う、とはよくいいますが、愛犬の目をみれば、その子の感情がわかりますね。
まずは、眼(眼球の機能を含める意味で)からいきましょう。
1機能と正常なはたらき
ハウンド種やシャパード等は、かなり遠目もききますが、他の犬種は視力はあまり発達していません。前方250度くらいの広い視野を見渡せますが(人間は160~180度)、色に対する識別能力は低くなっています。夜行性でタペタム(盲目の裏にある反射板)が光を集める機能があり、暗闇での活動を可能にしています。よく暗闇で目が光るのを見かけますが、それはこのタペタムの働きが関係しています。 正常時には、左右ともバランスが取れ自然に開閉します。多量の目ヤニ、涙目、瞼周辺の膜の突出、炎症、赤味などは正常時にはありません。そして、光を眩しがります(自然な反応)。
2異常と病気のサイン
涙やけ(毛の白い犬や色の薄い犬は、眼の周囲の毛が茶色く変色する)、これが見られる場合は、眼と鼻を繋ぐ細い管(涙道)が詰まったり、狭くなったりしている場合があります。
眼の中央(水晶体)が白濁、老化の一つで多くは7~8歳くらいから見られます。初期では視力に影響はありませんが、進行すると失明してしまいます。
突然の失明、よく物にぶつかるようになるなどのケースは失明していることもあり、糖尿病などが原因となっている場合があるため、即刻獣医師の診察を受けてください。
次は、耳です。
1機能と正常なはたらき
人間の3,000~5,000倍の音を聞き分ける能力があると言われています。超音波も40,000ヘルツくらいまで聞き分けられます。犬笛などで、この能力を上手く使って訓練しています。”大きな立ち耳”の犬種は、特にこの能力に優れています。また、片方ずつでも音のする方角に向けることができ、音の分析力に優れています。そのため、微妙な音の違い(飼い主の声、足音、車のエンジン音等)を理解できる能力があるのです。正常時には、耳介(耳の内側)に赤味がなく(炎症がない)清潔です。耳の皮膚は、適度に薄く、頻繁に頭を振ったり、かいたり、床等にこすり付けたりしません。
2異常と病気のサイン
疑うべき病気は、それぞれ次のような状態がみられたときとなります。
耳ダニ:耳の奥に茶褐色の大量の耳垢が溜まっている。
外耳炎、中耳炎:耳道から粘液や膿汁がながれ悪臭がする。頭を頻繁に振りこすりつける。耳をかく動作が目立つ。
耳血種;耳介が肥厚し変形している。耳ダニ、外耳炎等でも耳を激しく掻いたり、振ったりすることで耳介が肥厚することもあります。
では、次章は鼻と口腔についてです。
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