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2018年12月号

動物愛護法改正の現状

2018年12月17日 15:19 by K-Tamaki
2018年12月17日 15:19 by K-Tamaki

私達、ペットと暮らす者にとって身近ではあるが普段は馴染みのない法律、動物愛護法。この法律は、動物取扱業を営む者への遵守事項や罰則を取り決めたものですが、終生飼養の義務や虐待の防止など、ペットと暮らす常識的な人にとっては当たり前のことが記載されています。

平成24年度の改訂版の中身は、このような感じです。さて、今回はどうなっているのか?事務手続きや法律等に詳しそうな職員さんA(男性)に直撃してみました。

記者:今年は5年に一度の動物愛護法の改正の年と聞いていますが、現状はどうなっていますか?冊子など改正ポイントを解りやすくまとめた物はありますか?

Aさん:実はまだ国会の審議を経ていなくて・・・(これから審議される予定だそうです)

(この法案は、超党派議員連盟など関係者で条文の原案を作成、部会で審議したうえで各党に持ち帰り、そこで再度確認してから国会提出,審議となるそうです。はたして、どこで止まっているのやら・・それとも入管法(移民法?)などの重要法案がてんこ盛りで後まわしなのでしょうか!?いっこうにメディアなどにもとりあげられませんね。)

記者:えっ!、まだまだこれからでまったく決まっていないのでしょうか・・・では、前回からの持越しで、生後56日を経過しない子犬・仔猫の展示・販売禁止について伺いたいのですが。(これ、私達にも馴染みのある個所です)私は、ペット販売を営む会社の株主にもなっている関係で、ネット等では常にチェックしています。たまに、生後56日に満たない子が掲載されていたりしますが。それに、現状は「56日」は、法律で定める日まで「49日」と読み替えてとありますが、これはいつまで!?

Aさん:日にちの件ですが、ネット等で生後49日を経過していない子犬・仔猫の掲載があっても、実際に販売契約を締結する日が現状では49日を経過すればよいことになっています。幼齢の子犬仔猫の展示・販売禁止については、今回の改正でも触れられるはずですが。

(生後56日、6週齢のこの時期は、まさに社会化の時期。子犬・仔猫は母親や仲間と過すことで社会性を身に着けます。例え、販売契約成立後のお迎えが49日以降になるとしても、この点はいいかげんはっきりとしてほしいものです。記者は、動物取扱責任者研修のアンケートで思わず、いいかげんにはっきり決めろ!、と書いてしまいました。)

 記者:わかりました。では、シェルター等を運営している動物愛護団体等の第2種動物取扱業の届出義務化について伺いたいのですが。私達、保護犬(猫)をお迎えする立場からして、動物取扱業(第2種)の登録を受けている団体だと安心できる気がしますし。

Aさん:一つの施設で10頭以上の飼養をおこなっている団体は対象になります。シェルター等で保護している場合などは明確なのですが、中には団体の各自が持ち回りで自宅で保護犬(猫)を預かっているケースなどもあります。その場合は、一か所に10頭という数値的な基準に満たないので対象とはなっていませんね。

記者:なるほど・・・では、これら改正点を私達、ペットと暮らす一般の人に(業者用ではなく)解りやすく説明した冊子はありますか?

Aさん:前回の環境省発行のものがこれです。(と、持ってきてくれたのが上記の冊子でした。)

(法律、弁護士や企業法務担当でもない限り、なかなか馴染みのない代物です。どこでどう決まって、どのように改正されたか・・・、それを私達が自主的に確認し改正点を理解せよ、これではあまりに酷というもの。それよりは、行政などのほうから進んで情報発信をしてもらいたいものです)

記者:私は、これら法改正などについては、一般への(行政側からの)積極的な情報提供が重要だと考えているのですが、ユーチューブなどを使った情報発信はお考えですか?

これは、Bさん(ともに対応してくれた女性、おそらく譲渡会等の担当の獣医師さん?)曰く、まだその試みはないそうです。

記者:状況はわかりました。最後に、これは少し本題と外れますが、災害発生時における動物愛護相談センターの役割について伺いたいのですが。私は、個人的にペット災害危機管理士の1級取得も目指しているのですが、この有資格者は、お役に立ちますか?

Aさん:自治体の補助的な役割を行います。例えば、災害時に逸走、逃走したペットに捜索などですね。尚、同伴・同行避難ですが、東京都は、ほぼ同伴避難(ともに寝泊りできる)は不可で、同行避難のみ(寝泊りする場所は別)とお考えください。また、その資格・・・民間の資格ですよね。でも、自治体と被災者を繋ぐと言う点で、有資格者の方には期待しています。

(どうやら、記者の試みもムダではないようです。ペット災害危機管理士については、10月号を参照してください。)

動物愛護法改正、2018年度というのは、来年の3月までなのでしょうか??

他に重要な法案がてんこ盛りとはいえ、動物愛護法の改正も早く行い、私達に情報発信して頂きたいものですね。

 

 

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