外人買いで暴騰を続ける日経平均株価、しかし完全に蚊帳の外において行かれているのが中堅どころの企業群の株価です。チャートでそれは一目瞭然です。
1 エコートレーディング 905円(4/6)、805円(6/16)
前月から特に新しいニュースもないエコトレ、4/3の決算発表を受けて(物足りないとの評価で)売られてからは完全に置いてきぼり状態です。5月に入り持ち直したかに見えましたが、その後はまるで鍋底を這うかのような推移です。ですが、エコトレのPBR(一株あたり純資産比率)は16日終値805円でも0.51倍。東証のPBR1倍割れの是正要請はまだ生きており、この点では前月号で指摘示した通り自社株買いなどでまだ注目できると考えます。
2 アレンザ 988円(4/3)、986円(6/16)
ご覧の通り、こちらも蚊帳の外、全く無視の典型といった株価比較チャートとなっています。それにしても全く動いていません。これには一つ理由があります。アレンザは中堅どころの企業ですが、プライム上場を選択しました。現在、プライム上場基準の一つが満たせておらず、25年までにそれを解消することが上場維持の必須条件となっています。それは、株式流動性基準です。市場で取引される(できる)平均株数が発行済み株数の35%以上というのが東証のプライム上場要件なのですが、アレンザは2月末現在で34.6%と僅かですが足りません。そのため同社株を保有している取引先に市場での株式売却を要請しています。現状は2月末まで50万株を売却済み、5月末現在では残り12万株程度の売却が必要とのことでした。同社の日々の売買高はここ数ヶ月1~5万株の間で推移しています。そのため取引先による(流動性向上のための)株式売却が重荷になって鍋底推移の大きな原因となっています。(少しでも外人の資金流入があれば即解消できるのですが)今後この売却が完了すれば、株価は上がっていくでしょう。
6/8発表の第1四半期売上高の数値では既存店前年比97.5%(客数97.6%、客単価104.1%)でしたが、新規出店の含めた全店では売上同100.2%(客数94.1%、客単価106.5%)です。コロナ渦が終わり今後客足が戻ってくれば、売上の伸びも期待できます。
3 カクヤス 1,347円(4/3)、1,831円(6/16)
同社は例外中の例外!、コロナ渦からの脱却による主力酒類販売の復調を受けて決算上方修正、増配発表で日経以上のパフォーマンスです。が、同社はペット事業(ペット用品販売)では後発組かつその売上占有率は微々たるものです。今後のペット関連事業での展開については総会で質問してみることにしましょう。
カクヤスのような例外はありますが、概ね外人買いの蚊帳の外に置かれておる企業は少なくありません。日経が高値安定すれば(暴落がなければ)、これから本格的に資金循環・出遅れ物色が起こります。ペット関連の中堅企業は業績もよくこれから徐々に株価はあげていくと考えています。
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