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2024年01月号

2023年の日本株とプライム上場のペット関連への一口コメント

2024年01月08日 17:10 by K-Tamaki
2024年01月08日 17:10 by K-Tamaki

日本株の代表的指標、日経平均は年間で28%上昇という世界の市場の中でも高パフォーマンスを記録した年となりました。(正直、記者はここまで上がるとは予想出来ませんでした)

要因は、まずは著名な投資家バフェット氏が日本株を買い推奨したことです。これに加えて年間を通じての円安進行により日本株を世界的に割安とみた海外投資家が積極的に投資を行いました。また、東証が市場改革の一環として、PBR(株価純資産価値)1倍割れの企業に是正措置を求めたことで日本市場が変わるという印象を海外投資家へ与えたことも大きな要因です。

株価に短期で最も影響がある要因は、売買の需給関係です。東証の改革方針と著名投資家の推奨を受けて海外勢が買い向かったことで需給は大幅に改善、結果、まれに見る上昇を記録しました。ただ、グロース株(旧マザーズ上場および東証グロース上場会社)はPBRの1倍をこえる企業が多数でもあり海外投資家からも全く注目されず、これらは蚊帳の外どころか会社によっては業績が良くても売られる始末となってしまい二極化が進んだ一年となりました。

では、年間のチャートを基にみていくことにします。チャートは12/30/22の終値を100として各月末の終値の推移を表したものです。

参考までに、日経平均の数値は次の通りです。

26,095円(12/30/22)、33,464円(12/29/23)、33,377円(1/5)

1)イオン 

2,783円(12/30/22)、3,151円(12/29/23)、3,252円(1/5)

225採用でもある同社、日経の上昇率には及びませんでしたが、年間で13%上昇しています。要因はコロナ終息による好調な業績、他にもいなげやを子会社化する、パート従業員も7%の賃上げ、一部PB(プライベートブランド)商品の価格据え置きや値下げをおこなったりと消費者目線を意識して経営しているなど話題は豊富です。これらの要因が重なり採算も改善、今後も増収増益基調を維持していくことでしょう。最近のニュースで注目は、AIやロボット関連の企業ムジンと提携、高度に自動化した物流施設を26年をメドに構築するということです。今年から働き方改革(改悪?)による業務時間削減で物流問題が取り上げられていますが、この取り組みが奏功すればさらなる飛躍も期待出来ます。外部要因で大きく下げる場面があれば単元株買いで報われると予想します。

まもなく(1/12予定)第2四半期の決算を発表する予定です。

2)ユニチャーム 

5,068円(12/30/22)、5,098円(12/29/23)、5,125円(1/5)

 ご覧の通り年間で株価はほぼ横ばいです。昨年までは海外ファンドの売買でメリハリ(時には日経以上の上昇)のきいた株価推移でしたが、中国リスクを意識した海外ファンドが同社への投資から撤退したことが大きく影響しています。同社の格付けを行うアナリスト数の減少なども投資ファンドの注目度低下のためでしょう。ペット用品の新工場が昨年10月静岡で稼働するなどペット関連の事業は今後も拡大していく予想ですが、いかんせん中国リスクが重しになっています。中国リスク、一番は台湾有事関連ですが、景気減速リスクも見逃せません。今年の単元株での買いは見送りが賢明と思います。決算発表は2/7の予定です。

3)あらた 

2,098円(12/30/22)、3,110円(12/29/23)、3,195円(1/5)

増収増益+増配+株式分割(株価は分割考慮)の申し分ない決算発表を受けて日経を上回るご覧の通りのパフォーマンス(48%上昇)です。自社株買いも行っており、東証の要請への対応も十分できていたようです。同社は、北陸エリアに事業所を展開していますが、元旦の大地震の影響は軽微のようです。棚から商品落下はかなりあったようですが、翌2日には営業再開にこぎ着けたとのことです。ただ、同社の中国市場進出へは少し疑問符がつきます。海外ファンドの投資対象となってきたユニチャームほどの影響はないでしょうが、今後の展開次第では要注意かもしれません。それにしても中国リスクで外資が撤退する中、何故あえて進出するのでしょうか??G7などの民主主義諸国ならそれもありでしょうが、彼の国は・・・・

次回の決算は2/6の予定です。業績面での伸びしろに注目しましょう。

以上、プライム上場の大型株では今年の記者の注目は①物流問題対応を評価してイオン、②依然として今後に期待だが中国進出?のあらた、③ユニチャームの順です。

では、次章は中小型株をみていきます。

 

 

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