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2024年02月号

日経平均最高値のなかペット関連企業の株価は!?~大型株

2024年02月25日 13:44 by K-Tamaki
2024年02月25日 13:44 by K-Tamaki

では、まずはいつもの大型株、イオン、ユニチャーム並びにあらたを見ていきましょう。

プライム市場の大型株では、イオンは業績好調を受けて途中まで日経以上のパフォーマンスでした。あらたは決算発表前後に売られるも日経上昇に伴ってキャッチアップ、ユニチャームはちょっと冴えません。

では順にみていきます。

 1 イオン 3,151円(12/29) 3,580円(2/22)+14%

参考)日経平均 33,464円(12/29) 39,009円 +17%

1/12発表の第3四半期決算では、対前年比で売上+4.5%、経常+23.8%と好調維持。しかも従来予想から通期を売上+1.1%、経常+9.5%上方修正しました。コスト削減効果が主な理由とのことです。上記チャートでの2月上旬までの上昇はこれを好感したものです。経常進捗率は修正予想に対して57.9%、昨年は53.8%でしたから第4四半期で昨年同様の進捗でいければ問題なさそうです。

他には、婦人服関連のタカキューとは業務資本提携を解消し、新たにドラッグストアを全国展開するツルハホールディングとの資本業務提携を模索しています。現在、イオンは傘下に同じくドラッグストアのウェルシアを抱えており、この業務提携で同分野の強化を狙っているようです。展開しだいでウェルシアをTOBすることもあるかも?来期も食品中心に業績好調で増益見込みとのことです。

2 ユニチャーム 5,098円(12/29) 5,182円(2/22) +2%

2/7発表の23年12月期決算は、売上+4.9%、コア営業利益+7%の増収増益でした。24年12月期はそれぞれ+6.8%、+12.5%の増収増益継続予想です。地域別では中国市場の減速はやはり影を落としています。実績値で前年比、売上げ△7.4%、コア営業利益△27.4%、営業利益が大幅減でした。これを日本国内、タイなどのアジアの伸長でカバーしています。製品群別ではペット関連がダントツ、売上+11.3%、コア営業利益+25.8%と主力パーソナルケア製品のそれぞれ+3.8%,3.6%と比較すると大幅な伸びです。数値的にもペットケア1,253億円、パーソナルケア7,649億円、全社売上は8,980億円ですから売上全体の14%を占めていることになります。しかし、決算はあまり評価されていないようです。理由は従来の予想を実績で下振れたこと(売上△2.3%、営業利△9.3%の下振れ)、今期も中国市場は低迷を予想するなかで予測のコア営業利益+12.5%の伸びに疑問符がつく?、これらがその理由です。ただ、同時に450万株(発行済み株式総数の0.76%)の自社株買いも発表、これが評価されて2/9以降は株価は持ち直しています。ペット関連では中国で資本業務提携を行っていますが、別途タイやインドネシアでも展開を試みているようです。これが中国市場減速のマイナス面を補ってくれればいいのですが。

3 あらた 3,110円(12/29) 3,270円(2/22) +5%

2/6発表の第3四半期決算では、売上+5.9%、経常+20.5%と増収増益、さらに経常の進捗率は82.8%に達しています。売上カテゴリーでは、ペット関連1,500億円、これはおむつ等の紙製品1,367億円を抜いて主力ヘルスケア2,215億円に迫っています。全社売上は7,191億円ですからペット関連は売上構成比で20.9%に拡大、前年比でも+10.7%(ヘルスケアは+4.6%)と稼ぎ頭へと成長しています。ただ、22年11月に中国広州に設立した新会社、中国経済減速の影響を受けてこれがどうなって行くのかを見守りたいところです。決算発表では好材料出尽くしと捉えられたようですが、その後日経に引っ張られて巡航速度に戻った感があります。

まとめるとこれらのプライム市場での大型株は、グローバル展開ゆえその経済状況から良きにつけ悪しきにつけ中国市場が意識されます。キーエンスや村田製作所などの有名どころでも中国経済減速の影響を受けて減益となっています。今年は比較的その影響を受けないイオンがよさそうですね。これらは、これからも日経に連動して、個別で業績が良ければ日経以上に上昇していくことでしょう。日本株、少なくとも年前半くらいまでは好調を持続しそうです。後半は前月号で指摘しているリスク要因が顕在化してくる危険性は感じますが。

では、次章は中小型株です。

 

 

 

 

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