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2015年07月号 vol.1

ペット保険のアニコム、株主総会

2015年07月05日 15:14 by K-Tamaki
2015年07月05日 15:14 by K-Tamaki

まず、アニコムですが、ペット関係に関心のある方には、もうお馴染みかと思いますが・・・ペット専門の保険会社です。総会の場所は、高田馬場から徒歩5分、アリミノビル地下1階大ホール。

入口はこちらでございます。

 

開催前の写真がこちら。

会場には、100名ほどの席が用意されていました。実際の参加者は、約50名前後でした。総会の開始は、午後2時。6月24日~26日は総会集中日、そしてどこも午前中の開催のところが多いのですが、アニコムは午後のスタートです。株主が参加しやすい時間帯を選んでいて、なかなかの配慮だと思います。席には、水とお土産(後でご紹介します)、そして総会の議事進行に準じて簡単にまとめたリーフレットが置かれていました。

キャッチフレーズは、「きみが心の発電所」

資料は前方のスクリーンに映して説明するだけの会社がほとんどのところ、これもなかなかの配慮だと思います。ただ、ちよっと驚いたのは、議長(社長)の後ろの席に約20名の経営陣が陣取っているところ。株主50名ほどの参加の総会しては・・・数が多すぎる!、などど考えている間に、総会のスタートです。時間は事業報告から始まり、質疑応答を経て議案の決議まで約2時間、結構長めの総会でした。

事業報告では、社長さんが熱く語ってくれました。この会社、収益(売上)は、2割増、経常利益は、7割増、対前年比でそれぞれ伸びており、業績は順調に拡大しています。中期経営計画を含めた業績面での分析は、証券アナリストの方に任せるとして、事業報告の中でペット関係で気になった話をまとめてみます。余談ではありますが、よく上場したばかりの会社の議長(社長)は、事業報告で招集通知に書かれてある文面を棒読みしている方がいらっしゃいます。しかし、アニコムの社長さんは、自分の言葉で熱く語っておりました。なかなかの切れ者とお見受けします。

さて、ここから本題です。記者の気になった話の内容は、

①アニコムの目指すものは、生活習慣病をターゲットとした予防医療。ペット保険単体ではなく、生活習慣病予防とセットにした事業展開を目指していくとのことです。事実、保険は約60万頭の加入がある中で、その1/3が何らかの生活習慣病に罹患しているとのことです。しかし、人間でもがん検診の受診率はそれほど高くない・・・ましてペットとなると・・・そこで考えたのが、ペットと一緒に受ける健康診断、表紙の「ペットレスキュー号」がそれですね。この健診車、以前からの社長さんの念願だったようです。

②100%子会社で、「日本どうぶつ先進医療研究所株式会社」を平成26年1月24日に設立したそうです。ここでは、二次、三次医療として先進医療を提供しており、中でも印象的だったのは、昨年に小型犬、猫の僧房弁閉鎖不全症の手術を成功させている実績があることでした。僧房弁閉鎖不全症は、遺伝的な病気と追われており、小型犬に多い病気です。心臓の重要な弁の一つ、僧房弁に異常をきたすため、心臓が通常以上に頑張って血液を送り出そうとして・・・その結果、最終的には、拡張型心筋症、そして胸水が溜まり肺を圧迫、心肺不全で死に至る病気です。進行を遅らせる薬はありますが、治療法は確立していません。その手術を子会社が成功させたとは・・・(獣医版、”医龍1”ですね。)画期的な話で、この病気で苦しむワンちゃん、猫ちゃんには一筋の光明が見えた気がします。ぜひその手術(治療法)を普及させてほしいと願うばかりです。

③ペット保険に参入しているのは、現在14社。その中でもアニコムは、ペットショップとブリーダーさんを中心に営業しているようです。ブリーダーさんなどから血液検査データを得て、遺伝子情報を検証、膨大なデータを分析し(最近、世にいう”ビックデータ”ですね)、その情報をブリーダーさんなどに提供しているそうです。動物向け予防医療の確立に向け力を入れているようですね。そしてそれは、損害率(掛け金に対して保険金を支払う率)の改善にもつながり、会社の利益にもつながるという寸法です。この損害率、昨年度は64.4%。そして年間では250万回以上の保険金支払い実績があるとのことでした。

これらの取り組み、記者は非常に評価できるものと思います。とくに僧房弁併催不全症の手術成功は!

では、次の記事は、お待ちかね(?)質疑応答です。

 

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