問題行動と呼ばれるものの多くは、犬にとっては自然な行動であるが、人間の社会からみてそのルールやマナーに反するゆえに問題となる行動と言えます。
代表的なものが、咬む、無駄に吠える、飛びつくなどですね。
これらは、その行動が繰り返される(習慣となる)前に、犬に(この行動をしてもいいことはないと)学習させることで、ストップさせればよいのです。特に子犬の頃から教えれば、かなり予防効果は高いといえるでしょう。では、具体的な例を挙げてその予防方法をみてみましょう。
1.咬む
咬むという行為は、じゃれ合う気持ちからくる甘噛みと恐怖や嫌なことへの対抗策である本気咬みに分かれます。
①甘噛み:子犬の頃から噛んでよいものと咬んではいけなものを認識(学習)させるようにしましょう。前者は、コングなどのおもちゃ。これには、チーズなどをぬって噛むと美味しいと思わせることです。また、ぬいぐるみやロープなどで引っ張りこをして一緒に遊んであげると犬は喜びます。いいことが起きると学習します。それに対して後者は、家具、PCなどの配線などがあげられますが、これらはまず何と言ってもサークル等で犬を近づけないことです。しかし、どうしても片づけられないもの(噛んで欲しくないもの)がある場合は、噛みつき防止用のにがい液体等を塗っておくとよいでしょう。嫌な体験を学習し、噛まなくなります。
さらに、甘噛みでも自分や家族が咬まれた場合には(服などを噛むことを含む)、その場で大声を上げるなど(犬がビックリする行為を)してすみやかに(犬から見えない場所に)立ち去ります。甘噛みでも、人を咬むという行為をすると、飼い主がいなくなる(犬にとっては最悪)と学習させることです。これを繰り返すことで犬は学習して人間への甘噛みをしなくなるはずです。
②本気咬み:犬の嫌がることを無理やり行わないことです。例えば、無理やり押さえつけて爪切りをしようとする行為などがそれに当たります。嫌なことには、それを排除しようとして子犬でもできる限りの抵抗を試みます。てっとり早いのが咬むという行為です。本気咬みを予防するのは、犬の嫌がることを無理やり行わないことにつきます。
では、家にお迎えした時から唸る、本気で咬む癖がついている犬は・・・・これは、何を怖がっているのか(嫌がっているのか)を分析して、犬の警戒心・恐怖心を解きほぐすように時間をかけて対応していくしかありません。まず、ドッグトレーナーに相談してから始めるとよいでしょう。
2.吠える(要求吠え、無駄吠え)
(ご飯やおやつなどへの)要求吠えは、とりあえず無視です。声をかけるのも目を合わせるのもダメ、とりあえずは無視して静かになるのを待つ。静かになったら、おやつ(ご飯)をあげるようにすれば、次第に吠えても何ももらえない、でも静かにしていればもらえる、と学習します。
無駄吠え、これは、犬にとっては警戒心・恐怖心で吠えている場合が多く、(犬から見れば)無駄吠えではありませんが・・・防止のためには、犬が警戒心を抱くこと、恐怖を感じることを行わないことが一番です。さらに前章で述べたクレートトレーニングを行っておくとよいでしょう。留守中に寂しくて吠える、チャイムなどの刺激で吠える、これらはクレートという安息できる場所にいることで減らせるはずです。慣れてくれば、クレート内でリラックスして寝ながらお留守番をするようになります。留守中の不安解消には、クレートトレーニングは行うことをお勧めします。
3.飛びつく
これも一番の防止策は、無視です。酷い場合は、声もかけず、目も合わせず、すみやかに犬の視界から飼い主(家族全員)が消えることです。これを繰り返せば、その行為は減るはずです。そして、飛びつかなくなり、近づいて座るようになったら(お座りや伏せの体勢になったら)、おやつをあげてください。犬は、飛びついても何も出ないがお座り(伏せ)をしたら、おやつがもらえる(いいことが起きる)ことを学習します。無駄に飛びつきまくることはなくなるはずです。
いかがですか!?これらが代表的な問題行動への予防策ですが、子犬の頃から始めておくと立派な家族の一員になること間違いなしです。キーワードは、犬は学習する、です。(その行為をすることで)犬にとってよいことが起きれば、その頻度は高まり、悪いことが起きれば減っていきます。この犬の学習能力を利用して躾けていくとよいでしょう。
この記事がこれから犬飼う人に参考になれば幸いです。
では、よき家族の一員としての(子)犬との暮らしをお楽しみくださいね。
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