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2018年01月号

投資先としてのペット関連企業 その2

2018年01月26日 12:51 by K-Tamaki
2018年01月26日 12:51 by K-Tamaki

では、続きといきましょう。

エコトレーディング(7427) 株価782円 2月決算、1株配当20円。

ペット情報サイト「ペットペット」の運営母体企業であり、イベント「ペット王国」も開催しています。事業内容は、ペットフード71%、ペット用品29%と他の企業と比較するとペット用域に特化しています。ペットフードの売上は、猫向けが好調に推移しているようです。直近の決算は、①増収率2.9%、②増益率4.2%、③進捗率18.5%(3Q)となっています。

進捗率が他社と比較してあまりもひどいので、過去を調べてみました。昨年度は、3Qで対計画比23.2%・・・しかもこの会社、2Qでは52.6%を達成しながら3Qが赤字でこの進捗率となっています。奇数の四半期が赤字、偶数が黒字、収益構造が歪ですね。前年の通期達成率は、95.6となっており、今期が3Qで前年を下回っていますがら、下方修正は必至。何か起死回生の出来事でもないと挽回は不可能で、とても買えません。この業績推移、前期にペットフードの通販事業を他社に売却してしまったことが影響しているのかもしれません。

アニコム(8715) 3,525円 3月決算、1株配当5円。

ご存じペット保険の最大手。直近決算では、①増収率10.8%、②増益率△33.4%、③進捗率40.5%(2Q)となっています。進捗率は、前年では41.2%、結果通期で対計画比91.2%で計画未達です。しかも増収減益!?、このパターンは、契約数は伸びているが、保険の請求・支払いが想定以上に、そして昨年以上に多い場合などのケースが考えられますが、はたしてどうでしょう!?もちろん、調査してみました。結果は、次の通りです。

・保険件数は計画通りの伸びで保有契約数は2ケタの増加ペースを維持。直近で公表された昨年12月の新規契約件数は、前縁同月比で13.2%増の12,592件。

・損害率(保険金の支払い率)は、昨年を若干増加するも、ほぼ計画通りに推移。

減益の主な理由は、①新規ビジネスに係る営業強化による販売代理店手数料の増加、②ペット保険拡大に向けたWEB広告強化などによる新規投資費用の増加による。

とのことでした。将来に向けた先行投資のため減益決算となる場合は、その投資内容が将来の成長を約束できると評価されるならプラスで、株は買いですが、この解答ではイマイチぴんときません。暫く様子見で大きく下がったら買うスタンスですね。高齢化によるペット保険市場の拡大成長は間違いないと考えますから。

日本動物高度医療センター(6039) 2,918円 3月決算、無配。

全国の連携動物病院からの紹介で高度医療を提供する動物病院。新興市場のマザーズに上場しています。病院と名のつく施設では、唯一の上場企業です。直近決算では、①増収率5.5%、②増益率35.5%、③進捗率48.1%(2Q)となっています。前年の2Q進捗率は、43.1%で通期は計画値を9.4%超える実績でした。業績は、新規患者数、リピーター、手術件数とも伸びており、順調に推移しています。前回、記者は年間利益額(約3億円弱)に対して、1年以内に返済すべき短期借入金((約14億)の多さが市場で嫌気されている、と指摘しましたが、借り換え等の対策は当然行っていると思います。東京分院も今年開業、来期は通期での収益寄与が見込まれ、高齢化に伴う高度先進医療のニーズの高まりもあり、今後も成長期待の高い企業だと考えています。課題は、人材(優勝な獣医師)の確保と知名度向上ですね。そのため、近い将来、株式分割、東証1部市場への市場変更も期待できると思います。株主として経営陣(獣医)に注文を付けられる会社、応援する意味でも10年単位で投資すれば、かなり報われるのではないでしょうか!?

  おまけ

大日本住友製薬 1,584円 3月決算、1株配当20円~22円。

 傘下に動物医薬品を専門で取り扱うDSファーマアニマルヘルス(株)を持ち、犬のヘルニアを注射1本で治す再生治療薬の開発を目標としています(2019年3月上市)。直近決算では、①増収率21.4%、②増益率102.7%(利益倍増)、③進捗率67.2%(2Q)と申し分のない業績です。が、株価上昇率は、どうもさえません。実は、この企業、米国の法人税減税で最も恩恵を受ける日本企業と言われているのですが・・・記者も同社の株価推移にはどうも納得いかないものがあります。これから上がるのか、それとも何か隠れている重大な事象が存在するのか・・・引き続き調査する予定です。

さて、投資対象としてのコメントは以上の通りですが、次章ではそのパフォーマンスを検証してみることにします。

 

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