EduPet

2023年05月号

ペットテック、その代表的なものは?

2023年05月21日 13:53 by K-Tamaki
2023年05月21日 13:53 by K-Tamaki

IT技術をペットのお世話に活用と聞くと、やはり代表的なものはペットの健康管理でしょう。スマホで遠隔地からペットのお留守番の様子を観察できる、自動給餌器などは今までもありましたが、これにペット固有の健康データを蓄積して(ビッグデータ)分析、一歩進んで健康管理のアドバイスを行うサービスへと発展しています。米国や日本ではユニークなペットテックサービスを展開するベンチャー企業が生まれつつあります。犬・猫好きが高じて起業!、そして、起業後にペット関連企業からの出資をうけるケースや業務提携を行ってシナジー効果を狙うスタートアップ企業が誕生しています。

日経新聞でも過去に紹介されていましたが、その代表的な企業は2018年の猫の日(2月22日)に設立された株式会社LABO(ラボ、本社 東京都渋谷区)です。同社はユニチャームからも出資を受けており、また業務提携も行っています。LABOの主戦は、猫用トイレの下に置くことで排泄量や回数を記録、この記録を基に買い主のスマホアプリに体調変化やアドバイスを通知するCATLOG BOARD(キャットログボード)です。必要に応じて「尿量が増えているので健康診断の受診をお勧めします」などのアドバイスをしてくれるとのことです。泌尿器系の病気が多い猫、まさに猫の健康管理にはピッタリでしょう。また、ユニチャーム側でもこの商品から蓄積された約1万5千超の記録データから新型の猫用トイレやフードの開発につなげる試みがなされています。

LABOのフェイスブックはこちらからーCAT LOG

猫だけでなく犬も?、というのが株式会社PET VOICE(ペットボイス 本社 中央区)の提供する首輪型健康管理デバイス、これで食事や水飲み回数などを記録して健康状態を判断しています。同社も2020年7月設立のスタートアップですが、こちらは動物病院と連携しています。記録から検診要の判断となれば、通知がいき連携する動物病院の獣医師とオンライン相談可能とのことです。

PET VOICEの内容紹介HPはこちらーPET VOICE

またユニークなのは、犬の心拍数変化からその時々の感情を知ることが出来るデバイス「イヌパシー」を提供する株式会社ラングレスラングレスHP

他にも、おやつが飛び出す機能を備えた高画質カメラ(スマホ専用アプリで操作)Furboを提供するTomfun株式会社

猫や小型犬のドライフード自動給餌器PETLYを提供する株式会社RINN。この給餌器は乾電池で駆動するようになっており、災害での停電時などでも使えます。

専用のカメラ付きトイレで猫の毎日の体調をチェック出来る製品、Tolettaを提供する株式会社トレッタキャット。この専用アプリは獣医師との共同開発した独自のアルゴリズムを持いて体調の異変をすぐ察知できるとのことです。

パソコンやスマホで動物病院との相談、診療を受けられるサービス「みるペット」を提供する株式会社みるペット。薬の郵送も行ったおり、オンライン上で診察から処方まで可能なことが特徴とのことです。

保護犬・猫の団体と個人のマッチングサービスOMUSUBIを提供する株式会社PETOKOTOなどもあります。

今、これらのサービスを総称してペットテックと呼ぶのですが、その市場規模は急速に拡大、グローバルマーケットインサイトの調査では2021年から27年まで年率22%で拡大、27年には約200億ドルの世界市場になると予測されています。矢野経済研究所は、国内で2018年度7.4億円、23年度は50.3億円まで成長すると予測しています。これ程の成長が見込るペットテック市場、本誌で今まで紹介した企業群でもこのサービス展開を行う企業は(すでにユニチャームは業務提携)増えてくることでしょう。

一方で、今後も単身世帯が増えていく見込みの日本、「犬・猫を飼いたいけどこれから飼うのは自分の健康面で不安が・・それならいっそロボットでも・・」と言う声も一部で聞かれます。

ソニーのアイボ、今後クルーズアップされるかもしれません。アイボに亡くなった愛犬のデータを入力、オーダーンメイドでそっくりの体型につくり毛皮を着せれば愛犬が蘇ります。

そして、高齢単身者向けに見守り機能を搭載して体調に異変あれば即病院へ通知、必要に応じて救急車で搬送するなどのサービスも登場してくることでしょう。

見送った愛犬(そっくりな機械)に今度は自分が見守られて旅立つ・・・なんて近未来もあるのかもしれません。

 

関連記事

ペットシッターサービスへ参入したポピンズ

2024年04月号

ペット関連企業情報 個別情報

2024年04月号

ペット関連企業 個別情報 その2

2024年04月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2024年04月号

新年度になりました。4月の声を聞くと同時に堅調そのものだった日本株も少々波乱と…

2024年03月号

昨年末、ペットシッタースクールのセミナー参加の際に犬の食事専門家 「Dog's…

2024年02月号

22日、日経平均株価が最高値を更新しました。世界情勢や国内の政治的混乱もどこ吹…