EduPet

2023年11月号

ペット関連企業の決算発表まとめ①

2023年11月11日 09:48 by K-Tamaki
2023年11月11日 09:48 by K-Tamaki

では、ここから本題に入ります。

決算短信。上場企業は四半期毎に(今後は四半期毎には不要とする検討もされているようですが)証券取引所にこのような業績の概況を提出しています。日経新聞などの記事はこの短信やその他の開示情報を基に作成されています。記者も短信を参考に必要に応じて企業のIR担当へ質問して情報を得ているのです。では、まずはプライム上場企業からいきましょう。

1 イオン 2,995円(10/11)、3,079円(10/12)、3,125円(11/10)

今回、決算発表日、その翌日(市場評価)と直近の終値を参考に記載しました。

10/11発表の中間決算は、対前年比営業収益+5%、経常利益+17.4%、経常の対予算進捗率は+53.3%です。今期イオンは最高益更新予定、進捗率も順調のようです。いなげやの子会社化も予定しており今後も順調に伸びていくでしょう。上下に不安定な動きを続ける日経平均、その採用銘柄の中では株価は堅調そのもの、市場の評価も良好のようです。10日発表の全店の売上実績では、ミニストップとコックスの2社は前年割れですが、他は全て4-5%の対前年比増を維持しています。さらに、最近注目されている冷凍食品。イオンは、グループのイオンサヴールでプランスの冷凍食品専門店「ピカール」の国内店舗展開をしています。他にも冷凍食品専門店「アットフローズン」1号店を昨年千葉浦安にオープン、それを皮切りに4店舗目を11/10イオンモール与野(埼玉県与野市)にオープンしました。ペット関連としてはもちろん、その他の事業でも今後も注目です。

2 ユニチャーム 5,200円(11/7)、4,729円(11/8)、4,891円(11/10)

決算発表は11/7。売上対前年比+5%、営業コア利益+1.2%、税前利益+10.5%、コア利益の進捗率は+65.8%でした。12月決算の同社は第3四半期の数値で増収増益は維持するも進捗率の低さが嫌気されて翌日は大幅安(一時年初来安値4,632円)です。その後は若干持ち直しています。主力のパーソナルケアの売上は前年比+3.6%、コア営業利益△5.3%でしたが、ペットケアはそれぞれ+14.1%、+44.6%とまさにペットケアの伸びに下支えされています。数値的にもパーソナルケア製品5,801億円にたいして1,013億円と徐々に売上構成比は増えてきています。ペット関連としても存在感は増してきていますが、少し気になる点は中国の景気動向です。同社は上海市に合弁会社を設立したことは以前にお伝えしましたが、中国景気の下振れがどう影響してくるか?、私たちは自分の生活を少し切り詰めてもペットには・・・と考えてますが、中国ではどうでしょう?なにせ昔はチャウチャウを食用犬としていたお国柄ですから。現在、多くの企業が中国市場から撤退しています。ペット分野での中国との関連が今後どうでるか、この点は日経CNBCのコメンテーター大川氏も指摘していました。同氏によれば、ユニチャームを評価格付けしているアナリスト数も減少しているとのことで・・プライム上場の中では大手ファンドの投資対象から外される可能性もあるかもしれません。そうなれば昨年までのような買いは期待出来ませんし、今後は少し様子見が賢明かもしれません。

3 あらた 5,590円(11/7)、6,070円(11/8)、6,380円(11/10)

 11/7発表の中間決算は増収増益、しかも通期上方修正、増配、自社株買い、株式分割とくれば上がらない訳がありません、発表翌日暴騰、その後も上げて高値更新。年初来の安値3,905円からの上げはもちろん、前月号で過剰反応で下げと指摘したところが絶好の買いチャンスとなったようです。発表内容を見てみると、中間期売上+5.9%、経常+21.8%増、しかも増額修正した計画値に対する経常進捗率は+53.7%です。配当については、中間83円(前期68円)期末(1:2の株式分割を考慮して)実質102円(同68円)、年間では185円(同136円)です。自社株買いは東証のPBR1倍割れ是正勧告への対応策とのことでした(11/10終値でもPBR1.02倍)。分割は12/29付けでの保有者は1株を2株へ分割、最終受渡日は12/27ですから、26日の終値の半値で27日以降取引開始となります。また売上カテゴリーで見ると、主力のヘルス&ビューティーが+4.1%に対してペット関連は+11.2%、額面でも前者が1,439億円に対してペット関連は971億円と徐々に迫りつつあります。ペット関連の伸びにはグループ会社ジャペルの「ペット用おやつ」の売上伸長が貢献とのことです。

経済成長が見込める株は分割を繰り返して、その後分割前の高値を抜いて行きます。その国の経済が右肩上がりであれば、多くの企業はそうなります。現在、日本経済は雲行きが怪しいですが、ペット関連は今後も成長していく分野の一つ、成長分野にある企業の株価は(ソニーなどがそうであったように)その価値を増大させていくでしょう。”あらた”はまさにこの候補になりつつありますね。推奨していながら・・・実は・・なんとも情けないことですが・・記者自身買っていませんでした。分割後、今度こそNISAで購入です。

 

 

関連記事

ペットシッターサービスへ参入したポピンズ

2024年04月号

ペット関連企業情報 個別情報

2024年04月号

ペット関連企業 個別情報 その2

2024年04月号

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2024年04月号

新年度になりました。4月の声を聞くと同時に堅調そのものだった日本株も少々波乱と…

2024年03月号

昨年末、ペットシッタースクールのセミナー参加の際に犬の食事専門家 「Dog's…

2024年02月号

22日、日経平均株価が最高値を更新しました。世界情勢や国内の政治的混乱もどこ吹…