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2023年11月号

ペット関連企業の決算発表まとめ ②

2023年11月11日 09:57 by K-Tamaki
2023年11月11日 09:57 by K-Tamaki

では、ここからは中堅・成長企業群と参りましょう。

1 エコートレーディング 1,490円(10/6)、1,519円(10/10)、1,352円(11/10)

10/6発表の中間決算、売上+13.8%、経常+154.7%、進捗率は+59.1%でした。9/29付けで上方修正・増配を発表済みでしたので(株価に折り込み済みというやつで)翌日はそれほど反応はしていません。その後は全体の乱高下の影響か?またもPBR1倍割れへと逆戻りです。(11/10でPBR=0.79)今後の業績次第ですが、この値段は買いでしょう。記者は1,300円台買いで1,580円前後(PBR1倍相当)売りで売り買いを繰り返しています。

2 アレンザ 1,001円(10/10)、999円(10/11)、1,005円(11/10、PBR=1.02)

10/10付け中間決算は、売上+0.9%、経常△25%、進捗率44.7%で増収減益でした。下期挽回を期して通期では増益を目標としていますが、困難でしょう。現在までの発表数値を見ても既存店の売上が軒並み前年割れです。第3四半期は累計で既存店、全店ともに前年割れ(既存店△3.6%、全店△1.7%)しています。10/20山梨県甲府市に同県初の店舗をオープンし新規出店で挽回を試みていますが、第3四半期の推移を見る限り計画達成は難しそうです。但し、ここで一つ気になるのは同じホームセンター事業のバローとの親子同時上場ということです。数日前、富士ソフトが上場子会社4社のTOB(公開買い付け)による吸収合併を発表しています。東証はPBR1倍割れ解消とともに親子上場の解消も推奨しています。すなわち、同社にもTOBの可能性がゼロではないということです。今後の業績推移とともにその可能性も考慮して今後も見守りたいと考えます。

(アミーゴ甲府店:アレンザHPより)

 

3 カクヤス 2,080円(11/10)同社のみ決算発表は来週となるようです。

9/22の高値2,889円のみならず10/6の2,699円からもずいぶんと下落してしまいました。11/8発表の売上前年対比では、通期で飲食店向け+22.7%、家庭向け+5.5%、全体+16.5%です。コロナ渦脱出による飲食店向け売上げの回復に支えられて高値まで駆け上がりましたが、これを既に折り込んだ高値であり、今後の株価動向はペット用品を含む家庭向けの伸長にかかっています。とはいえ、ペット関連の売上げはまだまだ少なく、来る決算発表はさほど期待出来ないかもしれません。暫く様子見です。

では、次は成長企業群です。

1 アニコム 533円(11/8)、569円(11/9)、579円(11/10)

11/8発表の中間決算、経常収益+6.7%、経常+33%、経常の進捗率は+65%で相変わらずの好決算です。株価は素直に好感して上昇していますが、10日の終値は10月の急落時とさほど変わりません。9月単月も保険料収支は前年同月比+6.1%、累計でも+6.5%と業績面では申し分ないのですが。やはり一度本格的な株価対策を求める必要がありそうです。

2 日本動物高度医療センター 1,801円(11/9)、1,769円(11/10)

11/9発表の中間決算、売上+3.5%、経常△48.5%と大幅減益でした。経常は半期で対計画比+26.9%と計画未達が確実な様相です。今回減益の要因は、①4-6月川崎本院の放射線治療の休止、②眼科を廃止したための診療数の減少、③大阪病開業に伴う(物価高による)計画値以上の費用増とスタッフの稼働率減少ということです。しかし、7-9月はスタッフ増強により四半期としては過去最高の売上達成との朗報もあります。さらに次の新病院の開院も計画中とのことです。

今後、インフレは高止まりし物価高騰は継続するでしょう。そんな環境下では売上は微増でも経常は大幅減という結果になりかねません。昨年、ファンドの出資を受けた同社、いつまでも利益低迷は許されないでしょう。将来、経営陣刷新要求があるかもしれませんね。

3 ペットゴー 1,410円(11/9)、1,270円(11/10)

9日発表の中間決算、売上+1%、経常+2.9%の微増でした。経常の進捗率は対計画比で+75.5%に達していますが、業績見込みの上方修正はなし、そのことが嫌気されて朝から売り物殺到で大幅安となりました。売上の内訳は自社オンラインモール経由が+11.5%、他社モールが△3.8%で、都度購入が減少し(△8%)、定期購入が増加(33%)しています。リピータに支えられています。

同社は、昨年は計画を途中で大幅上方修正(確か半期で年度計画をかなり超過)し、成長性を期待されました。今回の決算は完全に期待外れとの評価ですが半期での進捗率から第3四半期での上方修正を期待しましょう。今回上方修正なしで売られたとはいえ、増収増益基調には変わりませんので、市場の評価は13日の動きで判明すると考えます。

 

 

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