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2014年11月号 vol.3

猫の性格、行動と躾について

2014年11月24日 23:38 by K-Tamaki
2014年11月24日 23:38 by K-Tamaki

 まず、猫の性格と行動を理解するために、犬と比べて考えてみることにしましょう。なぜなら、私達人間は、群れで暮らす動物であり、協調性を大事にし、我慢や遠慮をしてでも仲間と上手くやって行こうとするように基本的な性格の面で犬との共通点を持っているからです。猫好きでない人が、「猫は気まぐれで自分勝手、とても理解しがたい。」などと感じるのは、そのためです。

1.まず、犬が「群れで生活する」のに対して、猫は”単独”で生活します。

単独生活者の猫には、”序列、または群れの中の順位”という意識はありません。したがって、「飼い主(主人または、リーダー)が喜ぶことをしたい」という意識もありません。野生で暮らす猫を考えてみるとよくわかると思いますが、本来の(野生での)暮らしには、「協調性」と言うものは全く必要がないのです。「自分がしたいことを、したいときに、したいようにやる」、一言でいうと、それが猫の性格と言えるでしょう。

「勝手気まま、自分勝手」と見えるのは、この猫本来の暮らしに刻まれた「遺伝子」ともいえる性格からくるものなのです。

2.では、何故、犬と同じように猫が人間(飼い主)に懐くのでしょう?

単独生活者の猫、協調性を持たない猫と言えど、子供の時は母猫がいなければ生活できず、また他の子猫と一緒に暮らしています。 すなわち、子猫の時は、群れで暮らしているのです。

そして、人間と暮らす猫は、群れで暮らしていたときと同じ”子猫の気分”を持ち続けていると言われているのです。この”子猫の気分”を持ち続けていることこそ、猫が人間に懐き、また他の猫とも(もちろん飼い猫同志)一緒にくらしていける理由なのです。

何故、子猫の時と同じ気分でいられるのか?

一番の理由は、人間と暮らすことにより食べ物に困らないからです(子猫のときは母猫がいるから食べ物に困らない)。食べ物が十分にあるなら、あえて、それを独り占めできる単独生活(親離れ)をしなくてもよいからです。

3.縄張り(マーキングと爪とぎ)

猫の縄張りとは、食事が十分にあり、かつ安全で休息できる場所と言えます。猫は、本来、縄張りの中に獲物をおびき寄せ、狩りをして生計を立てています。そういった意味では、猫の縄張りとは、犬のそれよりもすっと重要なものでしょう。ゆえに、猫は犬以上に縄張りに固執します。そして、その縄張りを顕示するための行為が、マーキング、すなわち自分の臭いと爪とぎ跡を残すことなのです。

猫が家具の角やテーブルの脚などに頬や顎をこすり付けているのを見たことがあるはずです。この行為もマーキングです。猫は頬や顎の下に臭腺があり、こすりつけることで自分の臭いを残しているのです。

また、爪とぎ跡を残すことも、自分の縄張りの存在を他の個体に知らしめる為のものなのです。

 以上が猫の性格に基づく基本ともいえる行動であり、躾をするときは、この行動を頭の片隅にいれておくとよいでしょう。

犬の躾は、「これをすると褒められる、いいことがある」と思わせることが基本でしたが、猫は、褒められたいという欲求もなければ、叱られるので嫌だ(もう叱られることはしない)とも思いません。猫の躾に必要なのは、「それをしない(させない)習慣作り」です。叱るのではなく、びっくりさせてその行動を止めさせる、これが基本です。例えば、食事の時に食卓に飛び乗ったら、その瞬間、大きな声で驚かせることです。猫も学習する動物ですので、何度かそれを繰り返すうちに「この行動はらやないほうが賢明だ」と思い、やらなくなります。そして、この「やらない習慣」ができれば、猫の躾は出来たも同然です。

但し、爪とぎ、これだけは、止めさせようとして出来るものではありません。爪とぎは、縄張りを顕示するための本能だからです。爪とぎの躾は、「爪とぎをしてもいい場所」で思う存分にやって頂く、これしかないのです。

その他には、飛び乗ってもらいたくない場所には、物を目いっぱいおいて、飛び乗れるスペース自体を作らないなどの工夫をしてみるとより上手くいくでしょう。

また、トイレの躾についてですが、これが上手くいかない理由として、

1トイレが猫にとって快適なものでない。2.精神的な不安がある。3.身体的な異常、特に尿路結石等の泌尿器系の病気の可能性がある。

ことがあげられます。これらの原因を取り除けば、トイレの躾はきっと上手くいくはずです。

 

 以上のことを念頭に、次章からは経験談をみていきましょう。

 

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