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2014年12月号 vol.1

東京都動物愛護相談センター 見学記 その2

2014年12月04日 22:48 by K-Tamaki
2014年12月04日 22:48 by K-Tamaki

 続いて、施設見学の様子をお届けします。

 写真の子は、”ふれあい犬”として動物教室で活躍している子です。横にもう一人いました。撮影が許可されたのは、外にいたこの子たちと慰霊碑、建物外観のみでした。理由を尋ねると、以前、犬舎で撮影された写真がネットで拡散され、センターに問い合わせが殺到、収集がつかなくなったから、とのことでした。SNS、ツイッター・・・悪気はなくとも、これらのツールで拡散された写真、メッセージは一人歩きしてしまうことがありますね。私たちも注意せねばなりません。撮影禁止は、賢明な措置だと感じます。

 本題に戻って、センターの施設は、医務室、猫舎、咬傷犬舎、隔離動物室、小型犬舎、中型犬舎、そして一般犬舎と呼ばれているものが、1号~6号室まであります。小型犬舎、中型犬舎は、ゲージに1頭ずつ入れられています。それに対して、一般犬舎は広く、主に大型犬の収容に使われているようです。この一般犬舎の部屋番号は、よくニュースその他で耳にする、一日ごとに移動して最後はガス室送りというカウントダウン部屋を連想させますが、(少なくとも東京都では)ここを出たら、即、城南島出張所のガス室直行、という状況ではないとのことです。しかし、より正確な実態に迫るには、殺処分場があるという城南出張所を見てみないといけませんね。

 見学当日は、猫が3頭、うち1頭は医務室にいました。犬は、中小型犬舎に13頭、うちダックスフンドが、なんと7頭も。この子たちは、通路を通る私たちの姿を見ると吠えまくっていたのです。狭いゲージに押し込められているせいでしょうか、それとも人間への不信感からか、理由はわかりませんが、全員、吠えていたのです。そして一般犬舎には、5頭、うち3頭が老犬らしい柴犬でした。一般犬舎の犬達は人懐っこく、私たちに吠えることはなく、尻尾を振って近寄ってくるのです。職員さんの話では、収容される犬は、ダックスフンドと柴犬(特に老犬)が最近は多いとのことでした。いずれも人気のある犬種です。

飼い主よりセンターに持ち込まれる理由は、1)子犬のうちは、かわいかったけど、大きくなって(吠えまくるなどで)手に負えなくなった、2)飼い主自体が高齢化して亡くなったり、施設に入ってしまった、など飼い主側の都合(飼い主側に問題あり)が多いそうです。さらに、(犬を)持ち込むのは、高齢者の比率が高いとのことでした。想像できた理由ですが、実際に、今そこに居る犬達を見ているとやはり心が痛みます。

「自分の手に負えなくなったから捨てる・・・・」、飼い主が犬の行動、躾の方法等の正しい知識を持っていれば、決して手に負えなくなることはないはずです。現在は、躾教室、訓練教室などいろいろと飼い主の助けになる教えを提供してくれるところはあるはずです。何故、あきらめる前にその道のプロに相談しないのか?、教えを請わないのか?、そうすれば、犬も飼い主も救われるケースはあるはずです。

確かに、地方は都会と違って犬の躾教室などは少なく、問題解決のための情報も入手しにくいことでしょう。しかし、今はネットがあります。情報が誰でも手に入るのです。動物を飼ったなら、飼い主は、自ら学び最後まで共生するために努力し、またペット関連の仕事に携わる者は少しでもその手助けを惜しまないことです。

飼い主(私達人間)は、犬・猫が学習するように、いやそれ以上に”学び”を続けるべき、それがどこか悲しげな犬達の瞳を見て、この日、再認識したことでした。

 

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